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2011/03/01

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2011年3月2日の目次
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stock110302本日のトピックス
stock110302stock110302 <比ホンダ自動車、幅広い環境保全啓蒙活動>
貿易産業省など政府機関が共鳴と支援表明

stock110302金融証券市場情報
stock110302stock110302 <株式市場:3月1日は続伸し17.50ポイント高>
stock110302stock110302 <株式市場:3月1日は続伸し17.50ポイント高>
stock110302経済統計・その他統計など
stock110302stock110302<昨年第3四半期の産業総収入指数14.8%上昇>
雇用指数1.9%上昇、報酬指数15.7%上昇

stock110302政治・外交などの関連ニュース
stock110302stock110302地震でフィリピン人11名が行方不明
比外務省が確認急ぐ:ニュージーランド

stock110302stock110302<汚職疑惑で関税局知的所有権部長を提訴>
stock110302一般経済・税制関連、国際機関などのニュース
stock110302stock110302<電子政府世界番付け、フィリピン25位(50カ国中)>
1位シンガポール、日本6位、中国29位、インド30位

stock110302stock110302<スールー州マインブンに漁港・冷凍貯蔵施設建設>
stock110302産業界、外資などのニュー
stock110302stock110302<比トヨタ経済区、昨年の輸出額23%増の8.5憶ドル>
stock110302stock110302<アムコール、環境保護に積極協力>
パリコ河浄化で環境天然資源省と
サンミゲル、MNTC等と官民連携

stock110302stock110302<貯蓄銀行の最低資本金基準引き上げ>
首都圏10億ペソ、セブやダバオ5億ペソに

stock110302企業ニュース、証券取引所(PSE)公表情報など
stock110302stock110302<通信大手、昨年の業績伸び悩み>
今年も新収益基盤構築期間に

stock110302stock110302<PLDT、2010年小幅減収、利益伸び悩み>
純利益1%増の402億ペソ、実質2%増益、
携帯加入者総数は10%増の4560万人

stock110302stock110302<セブ航空、約4%の自社株買い戻しへ>
stock110302stock110302<RCBC、GPLホールディング株式追加取得決議>
stock110302stock110302<サンミゲル・ピュアフーズ、3月3日に優先株式上場へ>
stock110302公的機関等からの情報、広報(アジア、世界関連)など
stock110302stock110302<JBIC、豪州大規模LNGプロジェクトに資源金融供与>
日系企業活動支援、東京ガス子会社に1億ドル
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本日のトピックス
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<比ホンダ自動車、幅広い環境保全啓蒙活動>
貿易産業省など政府機関が共鳴と支援表明
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(11年2月28日のホンダ・カーズ・フィリピンズ発表より)
ホンダ・カーズ・フィリピンズ(HCPI)は昨年、創業20周年迎えた(設立90年9月)。創業以来一貫して、環境保全の姿勢を打ち出し、フィリピン自動車産業界で不可欠な役割を果たす重要なメーカーの1社となっている。現在は、「子供たちに青空を残そう」とのスローガンのもと、ニ輪車担当のホンダ・フィリピンズなどフィリピンのホンダ各社と連携して環境保全運動を展開している。

このほどHCPは環境保全の一環として、アテネオ・メディカルスクールの学生向対象に、ホンダ・チャレンジカップと称されている燃費効率運転コンテストを中心とする環境保全啓蒙イベントを実施した。ホンダ・チャレンジカップはこれまでにも、アテネオ・デ・マニラ大学、デ・ラサール大学、フィリピン大学、アジア&パシフィック大学など多くの大学の学生対象に実施されてきている。

ホンダ・チャレンジカップは、一定量の燃料でいかに長い距離を走行できるかを競うものであるが、その目的は、一人ひとりが最後の一滴まで燃料を有効に活用し燃料消費やCO2排出量を最小限に抑えるための運転方法を習得し、習慣とすることである。CO2排出量の増加、燃料枯渇や地球規模の気候変動などに対処するためには、節約と抜本的な対策が必要である。 そこで、HCPIは若者向けにもホンダ・チャレンジカップを開催しているのである。

燃費を向上させるのに重要な技術や要素はいくつかあるが、最も重要なのは、車両と燃料、ドライバーの3つである。第一の鍵、車両に関しては、ホンダは燃費向上と排出ガスのクリーン化を追求し、時代ごとにベンチマークとなる技術を市場に投入してきた。たとえば、燃料を無駄なく使い切るために、長年の研究結果から「i-VTEC」のような高効率エンジンも生み出した。 また排出ガスのクリーン化についても、フィリピンで販売されるホンダ車は、世界で最も厳しいといわれるヨーロッパの排出ガス規制を基準に開発を行っている。 フィリピンでは現在、EURO2レベルの排出ガス基準が義務付けられているが、ホンダはフィリピンで唯一、全モデルをEURO4レベルに適合させている。2004年という早い時期にホンダはEURO4レベル適合のモデルをフィリピンに導入し始め、約9万台を販売した。

燃費向上の第二の鍵は、高品質燃料の使用である。 第3後の鍵は、「機械を完全にコントロールすること」。つまりドライバー自身が握っている。適切な運転技術と車両の知識は、燃費を向上させる一方、経済的な出費と環境負荷を低減する。 この適切な運転技術習得・普及のためにホンダ・チャレンジカップが開催されている。1996年以降、ホンダはフィリピン四輪市場における燃費コンテストの先駆者となってきた。

ホンダ・チャレンジカップは、もちろん社会人や企業向けにも開催されている。さらに、エネルギー省、貿易産業省、運輸通信省などのフィリピン政府機関は、ホンダ・チャレンジカップなどから構成される車輛関連の環境保全活動「クリーン・フリート・マネジメント・プログラム」に共感と支援を表明している。具体的には、2011年2月13日から11カ月間に渡って、これら政府期間の車輛担当やドライバーがホンダ・チャレンジカップなどに参加、環境にやさしい運転技術、車輛管理ノウハウなどを習得する。
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金融証券市場情報
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<為替相場:3月1日の終値1ドル=43.435ペソへと続伸>
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(11年3月1日のPDS取引記録などより)
2011年3月1日のPDS(フィリピン・ディーリング・システム)でのペソ対米ドル加重平均レートは43.470ペソで前日の43.684ペソから0.214ペソ続伸。終値は43.435ペソで前日の43.565ペソから0.130ペソ続伸(始値43.500ペソ、高値43.420ペソ、安値43.530ペソ)。出来高は前日比1%減の8億7,458万ドル。

ペソ対米ドルレートの動き(単位:ペソ)
  当日 前営業日
  11年3月1日 11年2月28日
始値 43.500 43.800
高値 43.420 43.560
安値 43.530 43.835
終値 43.435 43.565
加重平均 43.470 43.684
出来高(百万ドル) $874.58 $884.73
(出所:PDS取引記録より)
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<株式市場:3月1日は続伸し17.50ポイント高>
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(11年3月1日のフィリピン証券取引所資料などより)
2011年3月1日の株式市場は続伸し、PSE株価指数は17.50ポイント高の3,784.23ポイントで引けた。率にすると0.46%の続伸。全体の売買代金は前日比45%減の45億5,400万ペソ(約85億2,000万円)、総取引回数は2%増の13,780回だった。値上がり銘柄数は74で値下がり銘柄数49を上回った。変わらず銘柄数は43。外人は3億6,740万ペソの売り越しだった。


<2011年3月1日の株式市場概要>
指数 始 値 高 値 安 値 終値 前日比
PSE株価指数 3,772.87 3,802.55 3,763.54 3,784.23 +17.50

出来高(百万株)  2,399 +3% 値上がり銘柄 74 外人買付額(百万ペソ) 1,821.5
売買代金(百万ペソ) 4,554 -45% 値下がり銘柄 49 外人売却額(百万ペソ) 2,188.9
総取引回数 13,780 +2% 変わらず銘柄 43 外人買越額(百万ペソ) +367.4
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経済統計・その他統計など
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<昨年第3四半期の産業総収入指数14.8%上昇>
雇用指数1.9%上昇、報酬指数15.7%上昇

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(11年3月1日のフィリピン国家統計調整委員会発表より)
2010年第3四半期の名目産業総収入指数(1978年基準、以下同様)は7,580.9となり、前年同期の6,602.6から14.8%上昇した(前年同期は0.7%上昇)。最大の伸びを示したのが金融業の前年同期比21.6%上昇、次いで商業の16.5%上昇、製造業の12.8%上昇、運輸・通信業の9.4%上昇。製造業は前年同期の12,4%低下からプラス成長へと転換した。一方、低迷したのは不動産業で6.1%低下。

2010年第3四半期の名目雇用指数は160.9で、前年同期の157.9に比べ1.9%上昇(前年同期は5.2%低下)、3四半期連続で前年同期を上回った。最大の伸びを示したのが不動産業と金融業で4.7%上昇。一方、雇用指数でマイナス成長だったのは、鉱業・採石業の12.7%低下、運輸・通信業の1.5%下落、プライベート・サービス業の1.2%低下。

名目給与・報酬指数は3,935.8で前年同期の3,401.0に比べ15.7%上昇した。最大の伸びを示したのは製造業の31.3%上昇。次いで不動産業の24.9%上昇、商業の10.8%上昇。

このレポートは2011年2月に発表された四半期別経済指数(QEI)をベースにしている。
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政治・外交などの関連ニュース
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地震でフィリピン人11名が行方不明
比外務省が確認急ぐ:ニュージーランド

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(11年3月1日のフィリピン外務省発表より)
ニュージランド、クライストチャーチで1週間前に発生した地震でフィリピン人11名が現在行方不明となっており、在クライストチャーチ比大使館チームと外務省付属移住労働者問題次官事務所は身元確認作業で役立つ指紋を収集するためマニラの国家捜査局(NBI)と連携を取っている。また、同事務所は行方不明者の親族に当人の歯の診療記録やその他診察記録を確保するよう要請。外務省領事局で入手可能な関連情報は現地に転送された。同事務所は身元確認のためニュージーランドへの渡航を希望している行方不明者の親族を支援している。
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<汚職疑惑で関税局知的所有権部長を提訴>
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(11年3月1日のフィリピン財務省発表より)
財務省汚職防止環視機関は3月1日、共和国法(RA)第3019号(汚職・収賄法)違反容疑でキャリー・デ・グスマン関税局(BOC)知的所有権部(IPRD)部長を行政監察官事務所に提訴した。月給1万9,168ペソにもかかわらず、ホンダCRVや宝石類購入。BOCに入局して9カ月足らずで純資産が1,700万ペソ増えた。更に、内部調査を進めていくうちに、2006年12月と2007年3月の資産・負債・純資産申告で土地の取得等を明らかにせず虚偽の申告を行っていたことが発覚した。
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一般経済、税制関連、国際機関などのニュース
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<電子政府世界番付け、フィリピン25位(50カ国中)>
1位シンガポール、日本6位、中国29位、インド30位
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(財団法人国際情報化協力センターのウエブサイトなどより)
早稲田大学電子政府・自治体研究所(所長 小尾敏夫教授)は、このほど、7回目の「早稲田大学電子政府世界ランキング2011」の調査・研究の結果を公表した。

早稲田大学電子政府・自治体研究所は、APEC(アジア・太平洋経済協力会議)電子政府研究センターを兼務しており、APECと連携して、2004年より“e-APEC”の先導的活動の一環として、加盟国(地域)対象の電子行政活動の評価研究をおこなっている。電子政府研究を通して世界的なイノベーション潮流を分析・評価し続け、安心、安全な国民生活を強く支援するだけでなく、行財政改革の要として行政コストの削減、スリム化や国際競争力強化に貢献している。

2005年に開始された早稲田大学電子政府世界ランキングは、世界の電子政府の最新の進捗度評価に関して正確で、公平な結果を得るために、下記の7分野の包括的な評価分析指標を策定している。
? ネットワーク・インフラの充実度-公的ネットワークの整備度
? 各種アプリケーション、オンライン・サービス活動の種類や進捗度
? 行政管理の最適化、行財政改革への貢献、ムダ削減、効率化
? ポータルサイト状況-ホームページの利便性
? 行政CIO(最高情報統括責任者)の活躍度-電子政府推進役の権限や人材育成
? 電子政府推進に向けての戦略・振興策-計画の達成度
? IT活用による市民の行政参加の充実度

2011年版では、主要50カ国を対象とした電子政府進捗度を調査・研究した結果、ランキングは次のようになった。
1位.シンガポール、2位.米国、3位.スウェーデン、4位.韓国、5位.フィンランド、6位.日本、7位.カナダ、8位.エストニア、9位.ベルギー、10位.英国及びデンマーク、12位.イタリア、13位.台湾、14位.オーストラリア、15位.ノルウェー。

フィリピンは50カ国中25位と検討。アジアでは、このほか24位にマレーシア、26位に香港、29位に中国、30位にインド、36位にインドネシア、38位にベトナム、42位にブルネイ、46位にパキスタンがランクされている。

今回の特徴をキーワードで表わすと「イノベーション」、「オープン・ガバメント」、「市民参加」、「サイバー・セキュリティ」、「新興国」、「モバイル政府」、「クラウド・コンピューティング」である。

日本は前年と同様6位であった。6位にランクされた主な理由としては、プラス面では、将来への振興策として、他国に先駆けて光ファイバー敷設による大容量の情報流通が可能になる点が特記できる。逆に、一昨年9月に歴史的な政権交代があり、事業仕分けを受けてIT施策の位置付けが不透明になった点と、府省の電子申請の低利活用率の事業の見直しが行われ、実績内容の再点検の必要が問われた、などが挙げられる。
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<スールー州マインブンに漁港・冷凍貯蔵施設建設>
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(11年3月1日のフィリピン農業省発表より)
アルカラ農業相はスールー州マインブンで市営漁港・冷凍貯蔵施設(総事業費2,920万ペソ)の起工式を主導した。農業省付属フィリピン漁業開発庁(PFDA)の融資事業。年内の完工を目指す。起工式にはスールー州知事、マインブン町長、農業省関係者らが出席した。完成すればマインブンは主要な魚介類流通センターに変身し、地元漁民の生活が向上すると期待される。
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産業界、外資などのニュース
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<比トヨタ経済区、昨年の輸出額23%増の8.5憶ドル>
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3月2日付け各紙電子版によると、トヨタ・サンタロサ経済区の2010年輸出額は前年比23%増の8億5000万ドルに達したとのことである。同経済区への入居企業は、トヨタ・オートパーツ・フィリピン(TAP、トランスミッションなど製造)、東海理化フィリピンズ(スイッチ類など製造)、フィリピンHKR(精密部品など製造)、矢崎トーレス(ワイヤーハーネスなど製造)など。

このうち、トヨタ・オートパーツ・フィリピン(TAP)の輸出額は前年比42%増の2億ドルへと大幅増加したとのこと。TAPは、トヨタのIMV(イノベーティブ・インターナショナル・マルチパーパス・ビークル=革新的国際多目的車)プロジェクトにおけるマニュアル・トランスミッションのグローバル生産供給拠点である。IMVプロジェクトとは、世界規模でより最適な生産・供給態勢を構築するプロジェクト。フィリピンは同プロジェクトにおいて、マニュアル・トランスミッションのグローバル生産供給拠点として重要な役割を持つ。出資比率はトヨタ自動車が95%、 トヨタ・モーター・フィリピンズが5%。
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<アムコール、環境保護に積極協力>
パリコ河浄化で環境天然資源省と
サンミゲル、MNTC等と官民連携

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(11年3月1日のフィリピン環境天然資源省発表より)
大手半導体企業アムコール・テクノロジー・フィリピンズ(AMKOR)は環境天然資源省と協力しモンテンルパ市内のパリコ川(Palico Creek)を守る。パヘ環境天然資源相は3月4日アムコールと覚書に署名する。同相は、「アムコールは川・小川の再生・保護活動を実施しているサンミゲル(SMC)、マニラ・ノース・トールウェイズ(MNTC)、フィリピン鉱山安全環境協会の仲間入りをした」と歓迎している。覚書のもと、両者は環境改善に取り組む。活動には、パリコ川の浚渫、情報教育キャンペーンの実施、地域社会動員活動、関係者への研修などが組み込まれている。
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<貯蓄銀行の最低資本金基準引き上げ>
首都圏10億ペソ、セブやダバオ5億ペソに

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(11年3月1日のフィリピン中央銀行発表より)
中央銀行金融委員会は先の農村銀行(Rural Bank)に続き、貯蓄銀行の最低資本金基準引上げを承認した。フィリピンの金融制度強化が狙い。最低資本金は本店の所在地による。本店がマニラ首都圏にある場合、10億ペソ(従来3億2,500万ペソ)。セブ州及びダバオ州の都市では5億ペソ(同5,200万ペソ)、他の全ての地域では2億5,000万ペソ(同5,200万ペソ)にそれぞれ引き上げられる。農村銀行の場合と同様、新たな貯蓄銀行が設立された場合、既存の銀行が貯蓄銀行に転換した場合、貯蓄銀行本店が最低資本金の高い地域に移転した場合のみ新最低資本要件が適用される。
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企業ニュース、証券取引所(PSE)公表情報など
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<通信大手、昨年の業績伸び悩み>
今年も新収益基盤構築期間に

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(フィリピン証券取引所回覧などより)
フィリピン長距離電話(PLDT)とグローブ・テレコムという通信2大企業の決算速報発表が出そろった。2社ともに、携帯電話普及ピッチの急鈍化、競合激化。ペソ高の影響などにより伸び悩みとなった。

業界トップのPLDTは3月1日に決算速報を発表(下記参照)。2010年は1%増益と辛うじて増益基調を維持したが、2011年は実質4%減益と見込んでいる。

一方、グローブ・テレコムは2月9日に決算速報を発表済みであるが、サービス収入は前年同期比1%減の620億ペソ、最終純利益は同22%減の97億ペソ、一時的損益や外為変動損益などを除いたコア純利益も同24%減の91億ペソと不振であった(詳細は2月10日レポートにて)。特に、主力の携帯通信収入が同6%減の500億ペソ(構成比80.5%)へと減少したことが注目される。
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<PLDT、2010年小幅減収、利益伸び悩み>
純利益1%増の402億ペソ、実質2%増益、
携帯加入者総数は10%増の4560万人

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(11年3月1日のフィリピン証券取引所回覧1637-2011号などより)
当地最大の通信企業フィリピン長距離電話(PLDT)が、3月1日に、2010年通期(1月~12月)の決算速報を発表した。

2010年の収入は前年比2%減の1445億ペソにとどまった。損益面でも税引き前利益が同2%減の537億ペソ、当期純利益は同1%増の402億ペソ、為替益、デリィバティブ益など一時的損益などを調整したコア純利益は同2%増の420億ペソと伸び悩み。1株当たりコア純利益(EPS、完全希薄化ベース)も222.55ペソで、前年同期の217.62ペソから2%の増加にとどまった。
特に、第4四半期の収入は前年同期比5%減、税引き前利益は同18%減、純利益は同16%減の82億ペソと不振であった。携帯電話が飽和に近付いたこと、それにともなう競争激化、先行投資負担、ペソ高による国際通話収入鈍化など響いた。

2010年の年間設備投資予定額は288億ペソで、高水準であった2009年の281億ペソをさらに上回り、サービス収入の20%に相当する水準であった。

<携帯通話事業>
携帯電話子会社スマート・コミュニケーションズによる携帯電話加入者純増数は456万人であった。この結果、2010年12月末の携帯通信加入者総数は前年同期末比10%増の4560万人となった。

携帯事業総収入は、前年比2%減の938億ペソ、同部門の償却・利払い・税金支払い前利益(EBITDA)は同1%減の589億ペソであった。


携帯電話事業全体では減収となったが、携帯新サービス事業が順調に成長している。2010年末のワイヤレス・ブロードバンド・サービス加入者数は、前年末比46%増の135万人に達した。ワイヤレス・ブロードバンド・サービス収入は前年比17%増の63億ペソに達した。

<回線事業>
回線通話事業収入は、ペソ高の影響などで前年比5%減の486億ペソにとどまった。従来型事業は伸び悩んでいるが、データ回線事業は順調に成長しており、2010年12月末の個人DSL加入者総数は前年末比14%増の64万人に達した。DSL事業収入は前年同期比17%増の83億ペソに達した。

<ICTサービス事業)
子会社ePLDTが担当する新規分野であるITCサービス事業収入は前年比2%減の107億ペソと伸び悩んだが、コスト低減等により、EBITDAは同30%増の17億ペソへと大幅増加した。

<当面の見通し>

携帯電話が飽和状態に近づく一方、競争激化など当面の環境は厳しい。2010年に引き続き2011年~2012年も業績の踊り場になる可能性もある。しかし、高水準の投資による、データやITサービス事業、携帯電話を通しての新たな付加価値サービスを強化などで、引き続き高水準の収益を維持する方針。
コア純利益に関しては、2011年、20112年ともに、2010年比4%減の405億ペソと見込んでいる。
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<セブ航空、約4%の自社株買い戻しへ>
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(11年3月1日のフィリピン証券取引所回覧1618-2011号などより)
アジア有数の格安航空会社であるセブ航空は、2月28日の取締役会において、20億ペソの自社株買い戻し実施を決議した。2月25日のPSEでの終値77.30ペソで算出すると、発行済み株式数の約4.22%に相当する株式買い戻しとなる。
なお、セブ航空は昨年10月26日にPSEに新規上場された。これにともなう新規公募価格は1株125ペソであったが、その後の株式市場波乱のなかで、セブ航空株価も70ペソ台にまで下落していた。
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<RCBC、GPLホールディング株式追加取得決議>
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(11年3月1日のフィリピン証券取引所回覧1616-2011号などより)
リサール商業銀行(RCBC)は、2月28日開催の取締役会において、保険関連持ち株会社GPLホールディングスの株式96万4001株の追加取得を決議した。この追加取得は、GPLホールディングス傘下の保険会社グレパライフ・フィナンシャルの保有比率を5%以上に維持する措置である。

既報の通り、カナダの有力保険企業サンライフ・フィナンシャル(サンライフ、PSEにも上場)は、ユーチェンコ・グループの保険会社グレパライフ・フィナンシャルの株式49%を取得。ユーチェンコグループとサンライフの合弁保険企業が誕生することになり、グレパライフ・フィナンシャルはサンライフ・グレパ・フィナンシャルと社名変更する。

サンライフは、グレパライフ・フィナンシャル株式を、持ち株会社GPLホールディングスから取得。このままでは、RCBCのグレパライフ・フィナンシャル株式保有(間接)比率が、中央銀行の保険商品窓口販売基準(銀行が保険商品を販売するには、その保険会社に対する5%以上の出資が必要)に抵触する可能性がある。したがって、RCBCはGPLホールディングスへの出資比率を高めることで、グレパライフ・フィナンシャルに対する間接出資比率5%以上を維持する。すなわち、RCBC窓口でのグレパライフ・フィナンシャル保険商品販売継続のための措置である。
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<サンミゲル・ピュアフーズ、3月3日に優先株式上場へ>
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(11年3月1日のフィリピン証券取引所回覧1652-2011号などより)
サンミゲルの食品子会社サンミゲル・ピュアフーズ(PF)は、3月3日に、優先株式(1株当たり額面10ペソ)1500万株を上場する。PFは事業や投資拡大のための資金調達、浮動株式比率上昇のために、このほど1500万株の優先株を1株当たり1000ペソで発行した。この優先株がPSEに上場され、売買が開始される。この優先株のPSE取引コードはPFPとなる。
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公的機関等からの情報、広報(アジア、世界関連)など
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<JBIC、豪州大規模LNGプロジェクトに資源金融供与>
日系企業活動支援、東京ガス子会社に1億ドル
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(11年3月1日の国際協力銀行発表より)
国際協力銀行(JBIC)は、2月24日、東京ガス100%出資の子会社であるオーストラリア連邦法人トーキョーガス・ゴ―ゴン(TGG)との間で、総額1億0200万米ドル限度の貸付契約に調印した。

このプロジェクトは、東京ガスがTGGを通じて、シェブロン、エクソン・モービル、ロイヤル・ダッチ・シェル、大阪ガス、中部電力の5社と共同で、豪州・西オーストラリア州北西部沖合に位置するゴーゴン、ジャンツ等の大規模ガス田を開発し、原料ガスを海底パイプラインで同州バロー島に建設する液化プラントまで搬送のうえ、2014年以降、年間1,500万トンの液化天然ガス(LNG)を生産・販売する世界最大級のLNGプロジェクトである。

今回の融資は、TGGがシェブロンより同プロジェクトの権益の1.0%を取得し、その開発に参画するために必要な資金に充てられる。東京ガスは同プロジェクトを通じて、同社の年間LNG調達量の約10%に相当する年間110万トンのLNG引き取りを計画しているほか、権益保有分見合いの年間約15万トンのLNGを引き取る権利を得る。

世界のLNG需給は、新興国での需要増や環境意識の高まりから中長期的にタイト化すると予想されており、日本にとっても、最大のLNG供給国であるインドネシアからの供給が今後大幅に減少することが見込まれるほか、その他の長期購入契約についても順次更新時期を迎えることから、埋蔵量が豊富かつ政治・経済の安定した豪州のLNG供給国としての重要性は益々高まっている。同プロジェクトは、日本の新たな大規模LNG供給源となるものであり、LNG安定確保の観点から重要な意義を有する。

今回の融資は、豪州という重要な資源供給国における日本のガス会社による資源開発プロジェクトへの参画及びLNGの安定確保を金融面から支援するものである。JBICは今後も、日本企業の原油・天然ガス権益獲得を積極的に支援し、日本のエネルギー安全保障に貢献していく方針である。
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