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2011年3月1日の目次 |
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本日のトピックス |
<東京電力、フィリピン省エネ法の成立支援> JICAから「比省エネルギー計画調査」を受託
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金融証券市場情報 |
<2カ月間でペソ0.6%上昇、株価10.3%下落> 株価、昨年の史上最高値から14.3%下落 中東・北アフリカ緊迫化や原油上昇響く
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<為替相場:2月28日の終値1ドル=43.565ペソへと続伸>
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<株式市場:2月28日は続伸し29.69ポイント高>
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経済統計・その他統計など |
<1月の首都圏の建材卸売物価3.5%上昇> 燃料・潤滑油は7.1%上昇
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政治・外交などの関連ニュース |
<アキノ大統領、23の優先議案を発表> 初の立法・行政府開発諮問会議を招集
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<本日から日本の在アジア大洋州地域大使会議開催> |
一般経済・税制関連、国際機関などのニュース |
<日比EPA合同委員会、東京で第3回会合>
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<2011年のADB年次総会開催国ベトナム> 黒田総裁が訪問、会場視察や要人と会談
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産業界、外資などのニュース |
<銀行・金融業界、2010年の業績好調> 純利益首位はBPIの113億ぺソ 総資産首位はBDOの1兆ペソ
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企業ニュース、証券取引所(PSE)公表情報など |
<メラルコ、2010年61%増益と好調> コア純利益74%増、販売電力量10%増 発電事業参入へ大規模投資方針
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<最大銀行BDO、2010年は46%増益> 総資産、業界初の1兆ペソ超に
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<サンミゲル、インドネシアで炭鉱買収交渉>
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<ビスタランド、住宅販売の60%がOFW向け>
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公的機関等からの情報、広報(アジア、世界関連)など |
<明日東京で アジア・バイオマスエネルギー協力推進事業報告会>
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本日のトピックス |
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<東京電力、フィリピン省エネ法の成立支援> JICAから「比省エネルギー計画調査」を受託
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(11年2月28日の東京電力株式会社プレスリリース、JICA公示などより) 東京電力は、フィリピンにおいて、独立行政法人国際協力機構(JICA)が計画する、フィリピンの「省エネルギー計画調査」を受託し、2月28日より現地にて業務を開始した。業務期間は2012年2月までと予定されている。
この調査は、フィリピンが進める省エネルギー推進に係わる方策の制度化やエネルギー関連機関の組織体制の整備および、省エネルギー法案の策定に必要な調査・助言を行うことを目的に、日本政府がフィリピン政府から支援要請を受け、その後、東京電力がJICAを通じて業務受託したものである。
具体的には、今後、5回にわたるフィリピン全地域を対象とした現地調査などを通じて、エネルギー管理制度・診断制度、高効率機器普及に係るラベリング制度および、省エネルギー普及啓発活動などに関する提言を行うとともに、組織間の連携や役割分担など組織体制に関する提案、省エネルギー法成立に向けた助言・支援を行う。また、同国エネルギー関連機関の関係者の計画策定・実施能力の強化など、人材育成にも協力していく。 既報の通り、JICAは1昨年2月1日に、「フィリピンの省エネルギー計画調査」のコンサルタント業務を公示した。参加要件は海外における省エネルギー分野に係る調査業務経験を有し、同分野の専任技術者を配置できることとされていた。そして、上記のように、東京電力が受注したのである。 フィリピンはエネルギー自給率が周辺国に比べて低く(58%、2008年)、使用する燃料のかなりの割合(42%、2008年)を海外からの石油と石炭に依存している。そのため、近年の原油価格高騰は、産業界を初めとする経済活動に悪影響を与えている。フィリピンエネルギー計画では2010年にエネルギー自給率60%達成を目指し、?国内産化石燃料の開発、?再生可能エネルギー(バイオマス、太陽光、風力、海洋)の開発、?代替燃料の利用拡大、?省エネルギー普及促進の強化を重要課題として掲げている。同計画では、最終エネルギー消費が2007年の24.53MTOE(Million Tons of Oil Equivalent)から2014年の30.69MTOEまで毎年3.3%程度上昇すると予測している一方で、省エネルギーによる需要削減効果を2014年まで毎年4.07%-4.66%程度と予測しており、省エネルギーに取り組む潜在ニーズは高い。 再生可能エネルギーに関しては、2008年にエネルギー省(DOE)主導により、再生可能エネルギー法が成立したことを受け、今後積極的に開発される予定である。一方で、省エネルギーに関しては省エネルギー法が存在せず、またエネルギー省(DOE)、科学技術省(DOST)、フィリピン・エネルギー効率化専門家協会(ENPAP)等、さまざまな機関が個別の省エネルギー活動を進めているにも関わらず、組織間の協調が充分ではない為に、包括的な省エネルギー活動の促進が図られていない。 2010年2月に行われた詳細計画策定調査では、省エネルギー法の不在が、関連機関による一体となった省エネルギー活動の促進を阻んでいる最大の原因であると確認されている。エネルギー省では、省エネルギーを推進する上で、関連機関の機能的整理と、省エネルギー法案の策定が早急な課題となっている。 したがって、「フィリピンの省エネルギー計画調査」では、上記のように省エネルギー方策の制度化及び省エネルギー法の成立を目的として、省エネルギー推進に係る枠組み(省エネルギー方策・組織体制)の整備に係る支援を行うと共に、省エネルギー法案策定に係る支援を行う。
なお、フィリピンの販売電力量の年平均増加率は、2000年~2009年の10年間で3.5%程度。また、同期間の最大電力量の年平均増加率も約3.2%と堅調に推移している。フィリピンの電力事情、東京電力との比較は次の通り。 参考:フィリピンの電力事情:東京電力との比較
項目 |
フィリピン |
東京電力 |
配電設備 |
1,561万kw |
6,449万kw |
水力 |
329万kw(21%) |
899万kw(14%) |
火力 |
1,030万kw(66%) |
3,819万kw(59%) |
原子力 |
- |
1,731万kw(27%) |
その他 |
202万kw(13%) |
0.4万kw |
最大電力 |
947万kw |
6,430万kw(01年7月24日) |
需要/販売電力量 |
619億kwh |
2,802億kwh |
(出所:東京電力資料より:フィリピンは2009年12月末、東京電力は2010年3月末時点)
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金融証券市場情報 |
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<2カ月間でペソ0.6%上昇、株価10.3%下落> 株価、昨年の史上最高値から14.3%下落 中東・北アフリカ緊迫化や原油上昇響く
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(PSE、PDS取引記録などより) PDS(フィリピン・ディーリング・システム)でのペソ対米ドルレートは、2011年2月28日終値が1米ドル=43.565ぺソとなり、1月末の終値44.270ペソから0.705ペソ、率にして1.6%の反発となった。新興国への先行きに対する不安は解消されていないが、現在のフィリピンの実質金利がかなり高い水準こと、さらに、米国金融緩和継続の一方、フィリピンが間もなく利上げ実施との観測が高まったことなど、金利差の観点からペソが上昇したようだ。2011年年初2ヶ月間累計ではペソ対米ドルレートは0.6%のペソ高となった。 一方、PSE株価指数(PSEi)の2月28日終値は3,766.73ポイントで、1月末の終値3,881.47ポイントから114.74ポイント、率にして3.0%続落となった。2010年11月4日の史上最高値4,397.30ポイントからは14.3%の下落となっている。中東や北アフリカ情勢緊迫化やそれらにともなう原油や食料品価格の更なる上昇などが、市場センチメントを悪化させたようだ。 2011年初2ヶ月間累計では、PSE株価指数は10.3%の下落となっている。 フィリピン証券取引所指数、ペソ対米ドルレートの動き(年末、もしくは月末値)
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フィリピン証券取引所株価指数 |
ペソ対米ドルレート |
時期 |
年末・月末値 |
上昇率 |
年末・月末値 |
上昇率 |
2000年 |
1,494.50ポイント |
-30.3% |
49.998ペソ |
-24.0% |
2001年 |
1,168.08ポイント |
-21.8% |
51.404ペソ |
-2.8% |
2002年 |
1,018.41ポイント |
-12.8% |
53.096ペソ |
-3.3% |
2003年 |
1,442.37ポイント |
41.6% |
55.500ペソ |
-4.1% |
2004年 |
1,822.83ポイント |
26.4% |
56.280ペソ |
-1.4% |
2005年 |
2,096.04ポイント |
15.0% |
53.090ペソ |
5.7% |
2006年 |
2,982.54ポイント |
42.3% |
49.030ペソ |
7.6% |
2007年 |
3,621.60ポイント |
21.4% |
41.280ペソ |
15.8% |
2008年 |
1,872.85ポイント |
-48.3% |
47.520ペソ |
-15.2% |
2009年 |
3,052.68ポイント |
63.0% |
46.200ペソ |
2.8% |
2010年 |
4,201.14ポイント |
37.6% |
43.840ペソ |
5.1% |
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2011年1月 |
3,881.47ポイント |
-7.6% |
44.270ペソ |
-1.0% |
2月 |
3,766.73ポイント |
-3.0% |
43.565ペソ |
1.6% |
2011年累計 |
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-10.3% |
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0.6% |
(出所:フィリピン証券取引所とPDSの取引記録などより作成)
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<為替相場:2月28日の終値1ドル=43.565ペソへと続伸>
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(11年2月28日のPDS取引記録などより) 2011年2月28日のPDS(フィリピン・ディーリング・システム)でのペソ対米ドル加重平均レートは43.684ペソで先週末の43.837ペソから0.153ペソ反発。終値は43.565ペソで先週末の43.710ペソから0.145ペソ続伸(始値43.800ペソ、高値43.560ペソ、安値43.835ペソ)。出来高は先週末比28%減の8億8,473万ドル。
ペソ対米ドルレートの動き(単位:ペソ)
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当日 |
前営業日 |
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11年2月28日 |
11年2月25日 |
始値 |
43.800 |
43.780 |
高値 |
43.560 |
43.710 |
安値 |
43.835 |
43.930 |
終値 |
43.565 |
43.710 |
加重平均 |
43.684 |
43.837 |
出来高(百万ドル) |
$884.73 |
$1,235.00 |
(出所:PDS取引記録より) |
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<株式市場:2月28日は続伸し29.69ポイント高>
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(11年2月28日のフィリピン証券取引所資料などより) 2011年2月28日の株式市場は続伸し、PSE株価指数は29.69ポイント高の3,766.73ポイントで引けた。率にすると0.79%の続伸。全体の売買代金は先週末比119%増の82億9,700万ペソ(約154億6,000万円)、総取引回数は27%増の13,565回だった。値上がり銘柄数は63で値下がり銘柄数61を上回った。変わらず銘柄数は45。外人は14億4,000万ペソの買い越しだった。
<2011年2月28日の株式市場概要>
指数 |
始 値 |
高 値 |
安 値 |
終値 |
前日比 |
PSE株価指数 |
3,731.33 |
3,767.17 |
3,705.18 |
3,766.73 |
+29.69 |
出来高(百万株) |
2,325 |
-46% |
値上がり銘柄 |
63 |
外人買付額(百万ペソ) |
6,037.7 |
売買代金(百万ペソ) |
8,297 |
+119% |
値下がり銘柄 |
61 |
外人売却額(百万ペソ) |
4,597.7 |
総取引回数 |
13,565 |
+27% |
変わらず銘柄 |
45 |
外人買越額(百万ペソ) |
+1,440.0 |
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経済統計・その他統計など |
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<1月の首都圏の建材卸売物価3.5%上昇> 燃料・潤滑油は7.1%上昇
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(11年2月25日のフィリピン国家統計局発表より) 国家統計局が発表した2011年1月の首都圏建築資材卸売物価指数(2000年基準)は前年同月比3.5%増、前月比0.8%増の199.4だった。
個別品目では、砂・砂利の卸売物価指数は前年同月比2.6%上昇(前月は3.4%上昇)、コンクリート製品2.4%上昇(2.9%上昇)、セメント横ばい(1.3%上昇)、ハードウェア0.4%上昇(0.1%低下)、ベニヤ板4.8%上昇(5.3%上昇)、木材製品11.7%上昇(12.8%上昇)、GIシート4.4%上昇(8.3%上昇)、鉄筋4.5%上昇(5.5%上昇)、構造用鋼4.9%上昇(6.3%上昇)、タイル類0.8%上昇(0.7%上昇)、ガラス・ガラス製品2.5%上昇(2.4%上昇)、ドア・ドア枠・スチール製開き戸2.1%上昇(2.1%低下)、電気系統作業1.7%上昇(1.8%上昇)、給排水栓類0.8%上昇(1.2%上昇)、塗装2.1%上昇(2.3%上昇)、PVC管0.4%上昇(0.9%上昇)、燃料・潤滑油7.1%上昇(7.2%上昇)、アスファルト13.0%上昇(13.0%上昇)、機械・装置レンタルは横這い(横這い)だった。
燃料・潤滑油は前月比では3.1%上昇。
首都圏の建材卸売物価指数(2000年=100)
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10年 |
11年 |
月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
全品目 |
192.7 |
192.1 |
193.2 |
194.3 |
195.5 |
195.0 |
195.1 |
196.1 |
195.3 |
196.2 |
196.8 |
197.7 |
199.4 |
前年同月比(%) |
3.5 |
4.3 |
4.6 |
4.6 |
5.0 |
3.5 |
3.6 |
3.5 |
2.8 |
3.7 |
3.4 |
3.7 |
3.5 |
(出所: 国家統計局資料) |
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政治・外交などの関連ニュース |
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<アキノ大統領、23の優先議案を発表> 初の立法・行政府開発諮問会議を招集
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(11年2月28日のフィリピン官報発表より) アキノ大統領は2月28日、第111回立法・行政府開発諮問委員会(LEDAC)会議を招集した。新政権に移行してから初のLEDAC会議である。前回はアロヨ前政権下の2009年10月15日に開かれた。LEDACは政府の立法議案について議論するメカニズムで、国の経済計画機関として機能する。
大統領は会議で5部門(人材開発、インフラ開発、経済開発、主権・安全・法の支配、グッドガバナンス)23の優先議案を発表した。
1)人材開発部門: 住宅都市開発省の創設、女性労働者の夜勤禁止正当化(労働規約改正)、基礎教育期間の延長とカリキュラム強化、国民健康保険法改正(貧困層基礎医療サービス供給拡大)、国家食糧庁(NFA)を国家食糧公社と食糧開発規制局に再編
2)インフラ開発部門: 共和国法(RA)第6957号一部改正(受注の透明性と公平性を保証するため建設・運営・譲渡(BOT)法の改正)、2001年電力業界改革法の改正、水道企業改革(水規制委員会設置)
3)経済開発部門: 投資家への財政優遇措置合理化、国有土地利用法の導入(実施メカニズムの提供)、
4)主権・安全・法の支配部門: フィリピン群島シーレーンの設定(外国船泊のフィリピン領海通行の義務と権利の規定)、フィリピン領海の規定、国軍近代化促進、ミンダナオ・イスラム教徒自治区(ARMM)通常選挙日設定(2013年全国統一選挙と同時に実施)、反競争的協定罰則化、証人(目撃者)保護・安全・給付金プログラム強化、密告者の保護、国防規定(資金着服等違反行為への処罰強化)
5)グッドガバナンス部門: 土地管理改革制定、政府系企業の財務可視化・財政規律促進、政府調達改革法改正(官民提携促進)、資金洗浄防止法強化、テロリストへの資金供給の処罰 |
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<本日から日本の在アジア大洋州地域大使会議開催>
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(11年2月25日の日本外務省発表より) 3月1日~2日日程で、2010年度アジア大洋州地域大使会議が、日本外務省において開催される。この会議には前原誠司外務大臣,伴野豊副大臣、アジア大洋州地域の駐在大使及び本省関係部局の幹部等が出席する。
この会議では、日本のアジア大洋州地域に対する外交課題への取組を強化するために,幅広く議論が行われる予定である。この会議の機会に,経済界との意見交換等も併せて行われる予定である。 |
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一般経済、税制関連、国際機関などのニュース |
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<日比EPA合同委員会、東京で第3回会合>
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(11年2月28日の日本外務省発表より) 2月28日、東京(外務省)において,経済上の連携に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定(日比EPA)に基づき設置された合同委員会の第3回会合が開催された。
今回の会合では、日本側は中村滋国際貿易・経済担当大使が、フィリピン側はアドリアン・S・クリストバル貿易産業省国際貿易担当次官が共同議長を務めた。また、両政府の関係省庁の関係者及び専門家も参加した。
双方は、日比EPAの運用及び実施について意見交換を行った。そして、投資に関する小委員会、看護師及び介護福祉士に関する特別小委員会、ビジネス環境の整備に関する小委員会並びに協力に関する小委員会の4つの小委員会の共同議長からの報告を含め、日比EPAの主要な論点について議論した。 また、日比EPA第161条に基づく協定並びにその実施及び運用についての2011年における一般的な見直しについても意見交換を行った。
双方は、日比EPAがその最大限の可能性を達成することを確保するよう協力することを確認した。次回の第4回合同委員会会合はフィリピンで開催される。日程及び議題は外交ルートを通じて調整される予定である。 |
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<2011年のADB年次総会開催国ベトナム> 黒田総裁が訪問、会場視察や要人と会談
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(11年2月25日のADB駐日代表事務所発表より) アジア開発銀行(ADB)の黒田東彦総裁は、2011年のADB年次総会の開催国であるベトナムを、2月28日~3月2日まで訪問。黒田総裁は滞在中、総会に向けて準備が進められているハノイ市内の予定会場を視察するほか、グエン・タン・ズン首相ら政府関係者と会談した後、ADBのプロジェクトが実施されている同国中央高原のダクラック省を訪れる。3月1日には記者会見も行う。
第44回目となるADBの年次総会は、本年5月3日~6日の日程で、ハノイのナショナル・コンベンション・センター(NCC)他で開催予定となっている。ADBの年次総会がベトナムで開催されるのは今回が初めて。 ベトナムは1966年のADB創設当時の原加盟国で、特に過去20年間、ADBなど開発援助機関の支援を得て、経済・社会で急成長し中進国入りを果たした。ベトナムでのADB総会開催は、そうした発展ぶりを内外にアピールする機会となる。ベトナムは、アジアの中で経済成長が最も好調な国の一つであるだけでなく、ADBが支援するGMSプログラム(メコン河流域圏)のメンバーとしても、近隣国と緊密に連携を取りつつ、国境を越えた協力関係促進に努めている。
ADBの年次総会は、例年3,000名近い関係者が参加して行われるが、今年は、アジアの食料安全保障への政策対応、域内の中所得国、成長パターンの変化や資金流入、インフラ整備、環境と開発の両立、気候変動といった議題が、会期中に討議される見通しである。 |
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産業界、外資などのニュース |
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<銀行・金融業界、2010年の業績好調> 純利益首位はBPIの113億ぺソ 総資産首位はBDOの1兆ペソ
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(フィリピン証券取引所回覧などより) PSE上場の銀行・金融業界の2010年決算速報発表が出揃い始めた。2009年は、一昨年の世界金融危機の混乱からとりあえずリバウンドという結果となった。2010年は業績回復が本物かどうか注目されていたが、多くの大手銀行や金融関連企業の業績が続伸傾向となっている。
・まず、商業銀行の純利益に関しては、アヤラグループの優良銀行ザ・バンク・オブ・ザ・フィリピン・アイランズ(BPI)前年比33%増の113億ペソ、総資産規模で首位のバンコ・デ・オロ・ユニバンク(BDO)同46%増の88億ペソ、 SMグループの有力銀行チャイナ・バンキング・コーポレーション前年比22%増の50億ペソ、セキュリティー・バンク前年比134%増(2.3倍)の72億ペソなどと発表されている。上位銀行メトロバンクが未発表であるが、BPIが純利益首位の座を守ったと思われる。
・貯蓄銀行に関しては、当地トップクラスの貯蓄銀行であるPSBankの2010年の純利益が前年比46%増の18億ペソと大幅増益となり、年間目標14億ペソを大幅に上回った
・投資銀行に関しては、メトロバンク・グループの投資銀行であるファースト・メトロ・インベストメント(FMIC)の純利益が前年比68%増の17億ペソへと大幅増加した。
・総資産規模に関しては、BDOが前年末比16%増加、1兆ペソを突破したと発表した。このBDOの総資産が銀行業界トップである。
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企業ニュース、証券取引所(PSE)公表情報など |
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<メラルコ、2010年61%増益と好調> コア純利益74%増、販売電力量10%増 発電事業参入へ大規模投資方針
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(11年2月28日のフィリピン証券取引所回覧1597-2011号より) 当地最大の配電企業マニラ電力(メラルコ)が2010年(1月~12月)決算速報を発表した。それによると、2010年の販売電力量は前年比10%増の3万0247ギガワット/時(GWh)と、近年としては非常に高い伸びとなった。顧客数が同3%増の480万に増加したことや景気回復に伴う電力需要増加によって二桁増加となった。家庭向けが同7.1%増、産業向けが15.7%増であった。 販売電力量二桁増加に加え、販売電力料金値上げ(主に発電コスト昇転嫁)により、営業収入は前年同期比33%%増の2455億ペソに達した。なお、営業収入のうち97%が電力販売事業によるものである。その他はエンジニアリング・サービスなどである。
増収効果に加え、システム・ロス(漏電や盗電など)減少などにより、税引き前利益は同61%増の144億ペソへ、純利益は同61%増の97億ペソへと大幅増益となった。そして、一時的損益を除いたコア純利益は同74%増の122億ペソ、すなわち実質74%増益であった。ちなみに、システムロス率は前年の8.61%から7.94%へと一段と低下、史上最低水準となった。
メラルコは、フィリピンの電力不足が懸念されるなか、発電事業参入準備も進めつつある。発電子会社メラルコ・パワー・ジェネレーション社(MPGC)を設立。そして、20億ドル~30億ドルを投じて、5年内に1500メガワットの発電能力を構築する方針。 |
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<最大銀行BDO、2010年は46%増益> 総資産、業界初の1兆ペソ超に
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(11年2月28日のフィリピン証券取引所回覧1587-2011号より) 当地最大(総資産ベース)の民間銀行であるバンコ・デ・オロ・ユニバンク(BDO)が、2010年(1月~12月)の決算速報を発表した。それによると、2010年の純利益は前年比46%増の88億ペソと大幅増加、目標の81億ペソを上回った。
大幅増益の背景は、まず、融資拡大や利鞘拡大などにより純金利収入が前年同期比12%増の342億ペソへと二桁増加したこと。手数料収入も104億ペソと高水準であった。 12月末の融資残高は前年末比15%増の5415億ペソへ、受け入れ預金残高も同13%増の7826億ペソへと二桁増加した。また、総資産残高が前年末比16%増増加、1兆ペソを突破したと発表した。これは、フィリピン銀行業界初の達成である。総資産残高ベースで当地銀行業界の首位を維持している
一方、不良債権比率は4.7%(前年末は5.0%)、不良債権貸倒引当率は92%(前年末は80%)に改善、自己資本比率(CAR)も14%に達するなど財務体質の改善も進んでいる。
BDOは4月に2億5000万ドルの増資(全てTIER1=コア資本)を実施した。このうち、国際金融公社(IFC)が2250万ドル相当、JBICなどが出資するIFCキャピタリゼーション・ファンド(途上国銀行資本増強ファンド)が1億2750万ドル相当を引き受けた。残り1億ドルはその他の投資家に売却された。この増資などにより、BDOの自己資本比率は上記のように14%に達し、中央銀行の最低基準10%をかなり上回っている。 |
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<サンミゲル、インドネシアで炭鉱買収交渉>
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(11年2月28日のフィリピン証券取引所回覧1604-2011号より) インフラ、電力、エネルギーなど新規事業拡大を推進しているサンミゲルは、インドネシアで新たに炭鉱企業買収交渉を行っている。詳細は明らかにされていないが、まもなく、大規模炭鉱買収交渉がまとまる可能性がある。 |
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<ビスタランド、住宅販売の60%がOFW向け>
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(11年2月28日のフィリピン証券取引所回覧1575-2011号より) 前上院議長ビリャール氏傘下の不動産企業ビスタランドの業績が堅調に推移している。2010年は9月時点で、同社の低中価格住宅販売の約60%が海外就労フィリピン人(OFW)向けとのこと。2010年のOFW本国送金額は187億6000万ドルに達し、2011年も8%増と予想されている。したがって、同社は業績上昇トレンドが続くと見込んでいる。 |
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公的機関等からの情報、広報(アジア、世界関連)など |
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<明日東京で アジア・バイオマスエネルギー協力推進事業報告会>
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(アジア・バイオマスエネルギー協力推進オフィスのウエブサイトなどより) 日本では2007年にバイオマスエネルギー推進のために、エネルギー協力イニシアティブが立ち上げられ、東アジアの各国に対して各種の支援、協力事業が行われている。
新エネルギー財団は、バイオエネルギーの分野で東アジア各国と日本を結ぶ役目を担っている。この新エネルギー財団が3月2日10時~18時まで、東京都千代田区大手町サンケイプラザ 3階において、「2010年度アジア・バイオマスエネルギー協力推進事業に係る報告会」 を開催する。 この報告会では、資源エネルギー庁や関連機関からの報告のほか、日本に滞在して共同研究を行っている東アジア各国のバイオマスエネルギー研究者の報告を予定している。特に今回は東南アジア各国で共同研究を実施している研究機関から、成果の活用に焦点を当てての報告が予定されている。 |
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