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2011年2月17日の目次 |
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本日のトピックス |
<日立情報システム、新入社員全員に海外研修> フィリピン研修地に、UPのIT研修機関やJICAで
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金融証券市場情報 |
<HSBC、今年1ドル=37.5ペソへ上昇と予想> 来年は35.5ドル見込むとの報道
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<為替相場:2月16日の終値1ドル=43.585ペソへと反発>
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<株式市場:2月16日は反発し21.26ポイント高>
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経済統計・その他統計など |
<2010年の外資直接投資認可額61%増の1961億ペソ> 第1位は日本の583億ペソ(シェア30%)、2位はオランダ
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<2010年の直接投資認可額73%増の5426億ペソ> 国内資本3,465億ペソ、外資1,961億ペソ BOI3021億ペソ、PEZA2044億ペソ
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<2010年のICT投資認可額、約3倍増の575億ペソ>
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政治・外交などの関連ニュース |
<日本外務省、フィリピンに対する危険情報発出> ミンダナオ一部地域への渡航延期勧告継続 昨年マニラ首都圏等で5件の邦人殺人事件
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一般経済・税制関連、国際機関などのニュース |
<JICA、フィリピンの国家開発計画を支援> 産業連関分析のシミュレーターの開発等
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<アジア生産性機構、地域賞・国別賞授与> フィリピンのラモス元大統領などへ
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<政府就職支援サイトPhil-Jobnet> 求人件数6万件超す
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<バイクのヘッドライト点灯義務付け法案>
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産業界、外資などのニュース |
<フィリピン進出日系企業、1075社に> 首都圏531社、ラグナ・カビテ327社
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<横浜ゴム、比増産用地借用契約調印を発表>
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企業ニュース、証券取引所(PSE)公表情報など |
<バイオ燃料のケムレス、3億7千万ペソで新プラント> 環境保全型製品増産、輸出拡大へ
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<ロビンソンズ・ランド、資金調達決議>
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公的機関等からの情報、広報(アジア、世界関連)など |
<日本で第2回海外道路官民連携協議会> フィリピン南北高速道路連結計画も対象
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本日のトピックス |
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<日立情報システム、新入社員全員に海外研修> フィリピン研修地に、UPのIT研修機関やJICAで
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(JICAトピックスなどより) 2月4日に、日立情報システムズの新入社員15名がJICAフィリピン事務所を訪問した。同社はグローバル人材育成の一環として、2010年度より新入社員全員に対して海外研修を実施しており、フィリピンはその研修地の一つである。
フィリピンでは、JICAがその設立から運営までを技術協力で支援してきているフィリピン大学ITトレーニングセンター(UPITTC)においてITスキル・英語研修を実施した。UPITTCは、2004年から2011年にかけてJICAが技術協力をしているフィリピン大学傘下のIT研修機関。これまで数多くのUPITTC卒業生が日系IT企業に就職し、活躍している。
新入社員はその後、JICAフィリピン事務所を訪問した。JICAでは、都合企画調査員(産業人材育成担当)が、世界の経済状況とアジアの人材育成に関するプレゼンテーションを行った。新入社員からは、「グローバル人材に必要な要件は?」、「将来は日本も力をつけた途上国に追い抜かれるのでは?」といった質問があり、活発な意見交換が行われた。
グローバル化の深化に伴い、日本企業は「外」を向いてビジネスをせざるを得ない状況に追い込まれている。そうした中で、かつてJICAがフィリピンのIT人材育成のために設立したUPITTCが、現在では日本企業のグローバル人材育成に一役買っている。これからの日本のODA、JICAが果たすべき役割は何か、その答えの一つが今回見えてきた感がある。 |
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金融証券市場情報 |
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<HSBC、今年1ドル=37.5ペソへ上昇と予想> 来年は35.5ドル見込むとの報道
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2月17日付け各紙電子版によると、香港上海バンク(HSBC)アジア経済リサーチ部門のヘッドであるフェデリック・ニューマン氏は、フィリピンペソは、2011年中に1米ドル=37.5ペソ、2012年中に35.5ペソに上昇すると予想しているとのこと。この予想の前提は、フィリピン経済が堅調な拡大を続けること、フィリピン中央銀行が2011年に0.5%の利上げ、2012年に0.75%の利上げを実施することなど。 |
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<為替相場:2月16日の終値1ドル=43.585ペソへと反発>
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(11年2月16日のPDS取引記録などより) 2011年2月16日のPDS(フィリピン・ディーリング・システム)でのペソ対米ドル加重平均レートは43.601ペソで前日の43.612ペソから0.011ペソ続伸。終値は43.585ペソで前日の43.720ペソから0.135ペソ反発(始値43.690ペソ、高値43.540ペソ、安値43.720ペソ)。出来高は前日比17%減の7億7,255万ドル。
ペソ対米ドルレートの動き(単位:ペソ)
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当日 |
前営業日 |
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11年2月16日 |
11年2月15日 |
始値 |
43.690 |
43.700 |
高値 |
43.540 |
43.550 |
安値 |
43.720 |
43.720 |
終値 |
43.585 |
43.720 |
加重平均 |
43.601 |
43.612 |
出来高(百万ドル) |
$772.55 |
$935.17 |
(出所:PDS取引記録より) |
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<株式市場:2月16日は反発し21.26ポイント高>
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(11年2月16日のフィリピン証券取引所資料などより) 2011年2月16日の株式市場は反発し、PSE株価指数は21.26ポイント高の3,812.04ポイントで引けた。率にすると0.56%の反発。全体の売買代金は前日比43%増の50億2,300万ペソ(約95億8,000万円)、総取引回数は15%増の11,065回だった。値上がり銘柄数は66で値下がり銘柄数56を上回った。変わらず銘柄数は51。外人は4,810万ペソの買い越しだった。
<2011年2月16日の株式市場概要>
指数 |
始 値 |
高 値 |
安 値 |
終値 |
前日比 |
PSE株価指数 |
3,791.23 |
3,818.19 |
3,784.54 |
3,812.04 |
+21.26 |
出来高(百万株) |
771 |
+28% |
値上がり銘柄 |
66 |
外人買付額(百万ペソ) |
2,162.4 |
売買代金(百万ペソ) |
5,023 |
+43% |
値下がり銘柄 |
56 |
外人売却額(百万ペソ) |
2,114.3 |
総取引回数 |
11,065 |
+15% |
変わらず銘柄 |
51 |
外人買越額(百万ペソ) |
+48.1 |
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経済統計・その他統計など |
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<2010年の外資直接投資認可額61%増の1961億ペソ> 第1位は日本の583億ペソ(シェア30%)、2位はオランダ
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(11年2月16日のフィリピン国家統計調整委員会発表より) 2010年第4四半期(10-12月)の政府4投資機関による外資直接投資(FDI)認可総額は前年同期比33.2%増の1,166億ペソで1996年第1四半期以来3番目の高さだった。内訳は、投資委員会(BOI)が前年同期比27.3%増の97億ペソ(シェア8.4%)、フィリピン経済区庁(PEZA)32.2%増の1,047億ペソ(89.8%)、スービック湾広域庁(SBMA)74.1%減の1億ペソ(0.1%)、クラーク開発公社(CDC)577.6%増の21億ペソ(1.8%)。外資直接投資(FDI)認可による推定雇用創出数は前年同期比68.2%減の2万5,919人。
業種別認可額では、トップが製造業の前年同期比40.3%増の1,038億ペソ(シェア89.0%)、第2位はプライベート・サービス部門(リゾート・娯楽観光関連部門)で253.5%増の62億ペソ(5.3%)、第3位は鉱業・採石部門で1,171.0%増の60億ペソ(5.2%)だった。 外資直接投資認可額国別順位は、第1位が日本の412億ペソ(シェア35.3%)で主な投資先は製造部門(電子製品)のプロジェクト(411億ペソ)。前年同期の631億ペソからは34.7%縮小した。第2位はオランダの298億ペソ(25.5%)で主な投資先は製造部門のプロジェクト(260億ペソ)。第3位はケーマン諸島の106億ペソ(9.1%)で主な投資先は製造部門のプロジェクト(104億ペソ)。
第4四半期の外資直接投資(FDI)認可額内訳(単位:億ペソ)
投資機関 |
09年第4四半期 |
10年第4四半期 |
シェア(%) |
伸び率(%) |
投資委員会(BOI) |
77 |
97 |
8.4 |
27.3 |
経済区庁(PEZA) |
793 |
1,047 |
89.8 |
32.2 |
スービック湾広域庁(SBMA) |
3 |
1 |
0.1 |
-74.1 |
クラーク開発公社(CDC) |
3 |
21 |
1.8 |
577.6 |
合計 |
875 |
1,166 |
100.0 |
33.2 |
(出所:国家統計調整委員会資料より、注:シェアは10年第4四半期のシェア)
[2010年年間(1-12月)] 2010年の政府4投資機関によるFDI認可合計額は前年(1,218億ペソ)比61.0%増の1,961億ペソ。内訳は、PEZAが1,422億ペソ(シェア72.5%)、CDCが262億ペソ(13.4%)、BOIが223億ペソ(11.4%)、SBMAが53億ペソ(2.7%)だった。手元計算による前年同期比伸び率はPEZA37.5%増、CDC482.2%増、BOI114.4%増、SBMA53.7%増である。これらのFDI認可による推定雇用創出数は前年比34.4%減の9万4,728人
業種別認可額では、トップが製造業の1,629億ペソ(シェア83.1%)、次いで、プライベート・サービス(リゾート・娯楽観光関連部門)の109億ペソ(5.6%)、電気・ガス・水部門の85億ペソ(4.3%)。
FDI認可額国別順位は、トップは日本の583億ペソ(シェア29.8%)で、次いでオランダの368億ペソ(18.8%)、韓国の312億ペソ(15.9%)だった。 年間の外資直接投資(FDI)認可額内訳(単位:億ペソ)
投資機関 |
09年 |
10年 |
シェア(%) |
伸び率(%) |
投資委員会(BOI) |
104 |
223 |
11.4 |
114.4 |
経済区庁(PEZA) |
1,034 |
1422 |
72.5 |
37.5 |
スービック湾広域庁(SBMA) |
35 |
53 |
2.7 |
53.7 |
クラーク開発公社(CDC) |
45 |
262 |
13.4 |
482.2 |
合計 |
1,218 |
1,961 |
100.0 |
61.0 |
(出所:国家統計調整委員会資料より算出、注:シェアは10年のシェア) なお、上記数値はあくまでも投資認可額であり、中央銀行が発表する実際の投資流入額とは全く異なるものである。ちなみに、中央銀行は2010年11カ月間(1-11月)の国際収支(BOP)におけるFDI純流入額は、ドル建てで前年度同期比22.7%減の14億米ドル、ペソ建てで26.4%減の624億ペソと不振であったと発表している。
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<2010年の直接投資認可額73%増の5426億ペソ> 国内資本3,465億ペソ、外資1,961億ペソ BOI3021億ペソ、PEZA2044億ペソ
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(11年2月16日のフィリピン国家統計調整委員会発表より) 2010年第4四半期(10-12月)の政府4投資機関による全投資認可総額(国内・外国資本合計)は前年同期比13.1%増の2,224億ペソ。そのうち、国内資本投資認可額は前年同期比3.0%減の1,058億ペソ(シェア47.6%)、外資投資(FDI)認可額は32.2%増の1,166億ペソ(52.4%)だった。投資認可による推定雇用創出数は前年同期比63.6%減の3万8,061人。
最大シェアを占めたのが経済区庁(PEZA)で前年同期比8.3%増の1,238億ペソ(シェア55.7%)。次いでクラーク開発公社(CDC)21億ペソ。唯一前年度同期より縮小したのがスービック湾広域庁(SBMA)で前年同期比90.9%減だった。 業種別では、トップが製造業の1,449億ペソ(シェア65.2%)、そのうち国内資本が412億ペソ(28.1%)だった。次いで金融・不動産部門の281億ペソ(12.6%)、プライベート・サービス部門195億ペソ(8.8%)、電気・ガス・水部門が194億ペソ(8.7%)。
[2010年年間(1-12月)] 2010年の政府4投資機関による全投資認可総額(国内・外国資本合計)は前年比72.7%増の5,426億ペソと大幅増加。そのうち、国内資本投資認可額は3,465億ペソ(シェア63.9%)、外資投資認可額は1,961億ペソ(シェア36.1%)。投資認可による推定雇用創出数は前年比27.1%減の13万4,534人。
最大シェアを占めたのはBOIで3,021億ペソ(シェア55.7%)、次いでPEZAの2,044億ペソ(37.7%)、CDCとSBMA合わせて361億ペソ(6.7%)。 業種別では、トップが製造業の2,152億ペソ(シェア39.7%)、電気・ガス・水部門が1,899億ペソ(35.0%)、金融・不動産部門の721億ペソ(13.3%)。 |
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<2010年のICT投資認可額、約3倍増の575億ペソ>
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(11年2月16日のフィリピン国家統計調整委員会発表より) 2010年第4四半期(10-12月)の政府4投資機関による情報通信技術(ICT)部門の全投資認可総額(国内・外国資本合計)は前年同期比688.8%増の239億ペソ。そのうち、外資投資(FDI)認可額は89.9%増の234億ペソ(シェア97.9%)、国内資本投資認可額は16.8%減の5億ペソ(2.1%)だった。フィリピン経済区庁(PEZA)経由が239億ペソ(シェア99.1%)で大部分を占めた。第4四半期のICT投資認可による推定雇用創出数は前年同期比12.0%減の1万1,615人。
一方、2010年のICT部門の全投資認可総額(国内外資本合計)は前年比288.5%増の575億ペソだった。そのうち外資投資認可額は560億ペソ(シェア97.4%)。トップ座のにあるPEZA経由は344億ペソ(シェア59.7%) だった。2010年のICT投資認可による推定雇用創出数は前年比8.2%減の4万9,311人。
情報通信技術(ICT)部門の投資認可額(単位:億ペソ)
種類 |
09年第4四半期 |
10年第4四半期 |
シェア(%) |
伸び率(%) |
国内資本 |
6 |
5 |
2.1 |
-16.8 |
外国資本 |
24 |
234 |
97.9 |
864.9 |
合計 |
30 |
239 |
100.0 |
688.8 |
(出所:国家統計調整委員会資料より、注:シェアは10年のシェア) |
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政治・外交などの関連ニュース |
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<日本外務省、フィリピンに対する危険情報発出> ミンダナオ一部地域への渡航延期勧告継続 昨年マニラ首都圏等で5件の邦人殺人事件 |
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(11年2月16日の日本外務省発表より) 日本外務省は2月16日に、フィリピンに対する渡航情報(危険情報)を発出 した。その概要は以下の通り。 ・ミンダナオ地域(南サンボアンガ州、北サンボアンガ州、サンボアンガ・シブガイ州、西ミサミス州、南ラナオ州、北ラナオ州、コタバト州(旧北コタバト州)、マギンダナオ州、スルタン・クダラット州、サランガニ州、バシラン州、スールー州及びタウイタウイ州並びにコタバト市)(周辺海域を含む):「渡航の延期をお勧めします」(継続) ・ミンダナオ地域のうち上記「渡航の延期をお勧めします」発出地域以外の地域(カミギン州、カガヤン・デ・オロ市及びダバオ市を除く)及びパラワン州(最北部を除く)(周辺海域を含む):「渡航の是非を検討してください」(継続) ・上記地域以外のマニラ首都圏を含む全地域:「十分注意してください」(継続)
そして、概況が、以下のように記されている。 (1)政治情勢 フィリピンでは、2010年5月、正副大統領、上院議員半数、下院議員、地方議会議員を含む選挙が一斉に実施され、大統領選ではベニグノ・アキノ3世が当選し、同年6月、正式に大統領に就任した。アキノ大統領は国民の支持率の高さを背景に、汚職、腐敗の撲滅への決意を表明するとともに、治安強化、ミンダナオ和平推進などを重要政 策として掲げ、これまでのところ安定的に政権を運営してきている。 また、2010年10月に実施されたバランガイ(注:市町の下に位置する最小行政単位)選挙は、一部の地域で投票箱等の選挙器材の未配送、遅配等の理由により投票が延期されたほかは、前回(2007年)の選挙に比べて事件発生件数は減少し、概ね成功裡に実施された。
(2)ミンダナオ情勢 2009年11月、ミンダナオ地域のマギンダナオ州で地元政治家の家族、支持者及び報道関係者数十人が武装集団に殺害されるという事件が発生したことを受け、その後同州及び近隣のスルタン・クダラット州並びにコタバト市に対して発令された非常事態宣言(注:同年12月4日から12日まではマギンダナオ州に戒厳令発布)は、以降継続して実施されている。フィリピン政府とイスラム系反政府勢力の最大組織であるモロ・イスラム解放戦線(MILF)との和平交渉努力が進められている一方、バシラン州、スールー州、マギンダナオ州などでは、テロや誘拐事件等が依然として散発するなど、これら地域の治安は未だに不安定な状況にあるので、引き続き注意が必要である。
(3)テロ情勢 フィリピンには、イスラム系反政府勢力(モロ・イスラム解放戦線(MILF)、モロ民族解放戦線ミスワリ派(MNLF-MG)、アブ・サヤフ・グループ(ASG)、ラジャ・ソレイマン・イスラム運動(RSIM)等)や共産系反政府勢力(新人民軍(NPA))等多くの組織が存在し、各地で爆弾テロ事件や身代金目的誘拐事件を起こしているほか、「宗教税」や「革命税」を徴収するという名目での恐喝行為等を組織的に行っている。 この中で、ASGはバシラン州やスールー州で国軍と散発的ながら交戦しており、地元住民の拉致、外国人の誘拐等の事件を起こしている。またNPAは山間部や農村部を中心に全国的に展開しており、一部地域では国軍との交戦や企業恐喝もみられるので、これら地域では注意が必要である。また、東南アジアの地域テロ組織であるジュマ・イスラミーヤ(JI)は、フィリピン南部のミンダナオ地域にも拠点を有しており、フィリピン固有のイスラム系反政府勢力と連携しながら、軍事訓練やテロ活動を行っているとされている。 このような状況下、フィリピン、特にミンダナオ地域においては、公設市場やバスターミナル等を狙った爆弾テロ事件が発生している。2010年にも、8月のサンボアンガ空港到着ロビー外側での爆発事件、10月のコタバト州での路線バス爆発事件、12月のホロ島にある教会での爆発事件等、死傷者を伴う事件が相次いで発生しているので、ミンダナオ地域では引き続き高いレベルの警戒が必要である。
(4)一般治安情勢 フィリピンでは、比較的容易に入手できる銃器を用いた殺人、強盗、傷害等の事件が多く発生しているにもかかわらず、犯人逮捕率が事件全体の15%程度にとどまってる。2010年8月、マニラ市内観光名所(リサ-ル公園)において中国(香港)人観光客が乗った観光バスが銃器を持ったフィリピン人男性に乗っ取られ、結果として観光客8名が死亡するという事件が発生した。 一方、日本人が被害者となる事件も多く、殺人(既遂)事件だけでも、フィリピン全土で2008年には7件、2009年には3件、2010年には5件発生しているほか、強盗等の凶悪犯罪や恐喝、あるいは窃盗等の一般犯罪被害に遭う例も少なくありません。また、身代金目的の誘拐の脅威がフィリピン全土、特にミンダナオ地域において高くなっている。こうした犯罪に巻き込まれないためにも、日頃から、自らが標的にされるおそれがあるという危機意識を持って慎重に行動する必要がある。
(5)その他 フィリピンでは、地震や火山、台風や豪雨のような自然災害の発生も少なくない。火山活動については、2009年12月に、アルバイ州のマヨン山における火山活動が活発化し、周囲7~8キロの立ち入りが一時期禁止される警報が出された事例、また2010年6月に、バタンガス州タガイタイ地域に位置するタール山の火山活動の活発化を示す兆候があるとして警戒度を引き上げた事例が見られる。また、ソルソゴン州にあるブルサン火山は2010年11月以降火山灰、噴煙を噴出し、付近では火山性地震も頻発した。現在は小康状態を保っているが、引き続き注意が必要である。 また、台風についても、フィリピン近海で発生した台風が急速に勢力を増してフィリピンに接近し、国内各地で地滑りや洪水などの甚大な被害を出す事例が度々発生しており、2009年9月の台風第16号(オンドイ)、2010年10月の台風第13号(フアン)などが各地に大きな被害をもたらしている。なお、断続的な降雨や集中豪雨等により洪水や地滑り被害が発生することもあるので十分な注意と警戒が必要である。 これら自然災害に際しては、外部と連絡が取りにくくなったり、物資の供給がままならなくなったりすることも十分予想されるので、日頃から緊急事態に備えた食料や水、日用品等の備蓄などを心がけられたし。
地域別情勢の中で、マニラ首都圏を含むルソン地域については、以下のように記載されている。 (a)2010年には、マニラ首都圏を含むルソン地域で5件の邦人殺人事件が発生している。また、強盗事件(含、睡眠薬強盗)、詐欺事件、恐喝事件、あるいは窃盗等の一般犯罪に巻き込まれる邦人も少なくない。
(b)マニラ首都圏では、2005年2月に、マカティ市アヤラ駅付近でバス1台が爆発、付近の2台のバスを巻き込んで炎上するという事件が発生(6人死亡、70人以上が負傷)。2010年後半には、マニラ市内の入国管理事務所、マニラ市役所、フィリピン証券取引所、商業施設、マニラ市に隣接するパサイ市の市役所等に爆弾を仕掛けたとの脅迫電話が寄せられ、大きな騒ぎになった。結果的に爆弾は仕掛けられていなかったことが確認されたが、それ以降、治安当局は不測の事態に備える意味からも警備強化を継続している。また、2011年1月には、首都圏の大動脈であるマカティ市エドサ通りを走行中の路線バス車内で爆発・炎上する事件(4人死亡、14人負傷)が発生し、国家警察は爆弾テロ事件として捜査を進めている。このように、マニラ首都圏においても、爆弾テロ事件のような不測事態に巻き込まれる可能性は排除できない。
(c)反政府共産勢力の新人民軍(NPA)は、山間部を中心に全国的な活動を展開しており、ルソン地域やマニラ首都圏近郊においても、社会不安をあおるためのテロ行為(政府関係施設や発電所等の公共施設への攻撃)や「革命税徴収」などの名目における個人・法人恐喝等を行っている。 |
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一般経済、税制関連、国際機関などのニュース |
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<JICA、フィリピンの国家開発計画を支援> 産業連関分析のシミュレーターの開発等
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(11年2月16日のJICAトピックスなどより) フィリピンでは2010年6月末にアキノ新大統領が誕生し、フィリピン政府は現在、中期の国家開発計画の草案作りに追われている。この国家開発計画は、2016年までのアキノ政権の全期間をカバーするフィリピンの重点政策の方向性が打ち出される重要な文書であるため、2011年2月の公表に向けて内外から注目され、日々関心が高まりつつある。
国際協力機構(JICA)は、フィリピン政府が新たな国家開発計画を策定するにあたり、中心的役割を果たしている国家経済開発庁(NEDA)等に対し技術協力プロジェクトを実施し、国家開発計画の策定を支援してきた。この技術協力プロジェクトでは、(1)フィリピンの過去の産業連関表の見直し、整理、(2)産業連関分析のシミュレーターの開発と普及、(3)産業連関分析およびシミュレーターの習熟の3つのタスクをJICA専門家が実施し、開発計画の策定能力の向上を図ってきた。 産業連関表とは、産業ごとの生産・販売等の取引額を行列形式にし、経済構造の把握、生産波及効果の計算などに利用される表。また、産業連関分析シミュレーターとは、産業連関表をベースに、消費、投資、生産額の増加が当該国あるいは地域の産業にもたらす経済波及効果を試算するためのツールである
藤川学JICA専門家は、「まずは、紙のデータのまま散逸していた既存のフィリピンの産業連関表を丁寧に収集し、続いて、47部門に統一した1961年~2000年までの9つの全国版の産業連関表を作成することから取り組みを始めた。これによりフィリピンの国全体の経済の変遷を時系列に分析することが初めて可能となった」とコメントしている。
国家開発計画の草案作りが本格化した2010秋には、マニラで2回、セブで1回の計3回にわたり、NEDA、統計関連省庁のみならず公共事業道路省、農業省、貿易産業省などの政府職員約100名への研修が行われまた。この研修に際しては、終了後も基本テキストとして利用できるような研修キットが開発・作成され、また講師には日本人専門家のみならず、NEDAのカウンターパートも役割を担うなどの工夫がなされ、産業連関表の講義とシミュレーターの実習により産業連関表分析の習熟が図られた。
JICAの協力が終盤を迎える2011年1月には、技術協力プロジェクトの成果を広く確認するためのセミナーが開催された。セミナーには国家経済開発庁の幹部職員、同庁傘下の統計関係官庁、現業官庁及び国際機関から多くの参加者が集まり、パデランガ国家経済開発庁(NEDA)長官からは、「フィリピンはアジア諸国の中でいち早く産業連関表を作成し始めたものの、その維持管理および利活用が不十分であったが、今回のJICAの協力により、既存の産業連関表が系統立てられ、またデータ化された」ことについて謝意が示されるとともに、「2月に公表される国家開発計画の策定に寄与するものである」ことが強調された。
松田JICAフィリピン事務所長は、「フィリピンの国家開発計画の策定という重要な局面に貢献できたことはJICAにとっても意義が高い。協力の成果が今後もフィリピンにおいて活用されることを望む」との期待を述べた。
国家経済開発庁(NEDA)は、国家開発計画のみならず、同計画を踏まえた優先事業への公共投資計画も作成予定である。今回のJICAの技術協力の成果が各種政策・プロジェクトの経済効果を定量的に示し、優先事業の順位付けを行うなど、フィリピン政府の国家開発計画や公共投資計画の作成に大いに貢献することが期待される。
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産業界、外資などのニュース |
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<フィリピン進出日系企業、1075社に> 首都圏531社、ラグナ・カビテ327社、
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(11年2月16日の在フィリピン日本国大使館、在マニラ日本国総領事館発表より) 在フィリピン日本国大使館 、在マニラ日本国総領事館は2月16日に、 進出日系企業実態調査結果の概要について、以下のように発表した。
1.2010年10月1日現在、フィリピンに進出している日系企業の総数は1,075社 である。「進出日系企業」とは、本邦企業の支店等、本邦企業(第三国で法人化されている企業を含む)が出資した企業及び邦人が海外に渡って興した企業を指し、外国資本との合弁企業を含む。 1,075社のうち、「 北部(ルソン地方)」に938社が進出し、全体の約87%を占め 、「中部(ビサヤ地方)」には125社(約12%)、「南部(ミンダナオ地方)」には12社(約1%)となっている。
2. 企業形態別では、約45%(484社)が「現地法人化された日系企業(本邦企業が100%出資した企業の「本店」)」で最も多く 、次いで、「現地法人化された日系企業(合弁企業)」(約25%、264社)、「日本人が海外に渡って興した会社」(約12%、135社)、の順となっている。
3. 邦人職員数別では、約77%(829社)が「1~4人」で最も多く 、次いで、「5~9人」(約13%、138社)、「0人」(約6%、64社)、の順となっており、これらで全体の約96%を占めている。
4. 州別では、「マニラ首都圏」に約47%(531社)が進出し、次いで、「ラグナ州」 (約17%、187社)、 「カビテ州」 (約13%、140社)、 「セブ州」 (約11%、125社)、の順となっており、これらで全体の約91%を占めている。
5. 都市別(マニラ首都圏)では、「マカティ市」に約54%(287社)が進出し、次いで、「マニラ市」 (約11%、59社)、 「パシッグ市」 (約8%、42社)、 「ムンティンルパ市」 (約6%、34社)、の順となっており、これらでマニラ首都圏の約79%を占めている。
6. 工業団地別では、「ラグナ・テクノパーク」に約18%(86社)が進出し、次いで、「カビテ・エコノミック・ゾーン」 (約14%、68社)、 「マクタン・エコノミック・ゾーン1」 (約10%、48社)、 「 ファースト・カビテ・ インダストリアル・エステート 」 (約8%、37社)、の順となっており、これらで工業団地の約51%を占めている。
7. 業種別(ルソン地方)では、「製造業」に約42%(399社)が進出し、次いで、「サービス業(他に分類されないもの)」 (約12%、116社)、 「卸売・小売業」 (約12%、109社)、の順となっており、これらでルソン地方の約67%を占めている。 |
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<横浜ゴム、比増産用地借用契約調印を発表>
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(11年2月16日の横浜ゴム株式会社ニュースリリースより) 既報のとおり、横浜ゴムは1月31日に、フィリピンの乗用車用タイヤ生産販売会社ヨコハマタイヤ・フィリピン(YTPI)の生産能力大幅拡大計画(総額500億円)を発表し、2月12日には、工場建設予定地の借用契約に調印した。
横浜ゴムは2月16日に、上記のフィリピンでの増産予定地の借用契約調印に関して、以下のように発表した。
『横浜ゴム(南雲忠信社長)は、2月12日、乗用車用タイヤ生産販売会社であるヨコハマタイヤ・フィリピン(YTPI)の工場隣接地30万平方メートルに関し、クラーク開発公社(CDC)の間で土地の借用契約を結んだ。横浜ゴムは総額500億円を投じ、2017年までにYTPIの生産能力を現在の年間700万本から同1,700万本と2.4倍に拡大する計画を立てている。
調印式はクラーク特別経済区内のホテルで行われた。横浜ゴムから南雲忠信代表取締役社長、野地彦旬取締役常務執行役員、浜谷孝行YTPI社長、CDCからベニグド・リカフォート総裁はじめ幹部多数が出席した。野地取締役による横浜ゴムの2017年に売上高1兆円を目指すグローバル事業戦略、浜谷社長によるYTPI拡張計画の概要説明の後、リカフォートCDC総裁が挨拶し、その中でベニグノ・アキノ3世フィリピン大統領のメッセージが読み上げられた。
アキノ大統領のメッセージでは、YTPIによる長年に渡るクラーク特別経済区への投資によって現在2,000人の雇用が創出され、今回のタイヤ工場拡張によって新たに3,000人の雇用が生まれることへの感謝、また今後とも長きに渡る協力と友好関係を結ぶことへの期待などが述べられた。
YTPIは、1996年、輸出向け乗用車用タイヤの生産拠点として設立された。現在、内径13?18インチの乗用車用及びSUV用タイヤを生産し、その大半を欧州、北米、ASEAN諸国に市販用タイヤとして輸出しており、北米、アジア諸国の自動車メーカーにもOEM納入している。YTPIは初めてクラーク特別経済区に進出した国際企業。経済、社会貢献、環境保護活動が高く評価されており、CDCから2009年、2010年と2年連続して総合優秀賞を受賞している』。 |
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企業ニュース、証券取引所(PSE)公表情報など |
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<バイオ燃料のケムレス、3億7千万ペソで新プラント> 環境保全型製品増産、輸出拡大へ
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(11年2月16日のフィリピン証券取引所回覧1319-2011号などより) 環境保全機運の高まりやバイオ燃料法施行を背景に、当地のオレオ・ケミカル、粉末コーティング、バイオ燃料のパイオニア企業であるケムレス・テクノロジーズの業績が堅調に推移している。
ケムレス・テクノロジーズはこのほど、環境保全型製品増産や輸出拡大のために、3億6872万ペソを投じて新プラントを建設すると発表した。この新プラントが完成すると、分離ココ・メチル・エステルの年間1万5千トンの生産などが可能となる。分離ココ・メチル・エステルは、洗剤の界面活性剤、バイオ燃料、環境保全型潤滑油や溶剤、航空エンジンオイル添加剤などに利用される。
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<ロビンソンズ・ランド、資金調達決議>
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(11年2月16日のフィリピン証券取引所回覧1299-2011) ゴコンウェイ・ファミリーの有力不動産企業であるロビンソンズ・ランドは、住宅、オフィス、ホテルなどの事業を積極拡大しており、資金需要が旺盛である。2月14日開催の取締役会において、資本市場での資金調達実施を決議した。株主割当増資、公募増資などの手段を視野に入れているが、今後の情勢などを勘案して具体策を決定する方針。 |
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公的機関等からの情報、広報(アジア、世界関連)など |
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<日本で第2回海外道路官民連携協議会> フィリピン南北高速道路連結計画も対象
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(11年2月16日の日本国土交通省発表より) このほど、官民連携による海外道路インフラプロジェクトを推進するために設置した「海外道路PPP協議会」(座長:住友商事岡会長)の第2回目となる協議会が開催された。そして、来日中のインドネシア国公共事業省高官との意見交換も行われた。 <開催結果概要> 1. 日時:2月14日(月)13時00分~14時45分 2. 場所:全国都市会館(東京都千代田区平河町2-4-2) 3. 主な議事:・国別ワーキンググループの活動状況、インドネシア国公共事業省との意見交換等 4.結果概要 ・協議会の冒頭、岡座長および宮本副座長より、具体的なプロジェクトの議論を踏まえた上で、強いリーダーシップのもとでのスピード感あるトップセールスを期待する等のご発言があった。 ・事務局からインド、インドネシア、トルコ、フィリピン、ベトナムの5カ国10ワーキンググループの活動状況が報告され、具体的なプロジェクトのさらなる推進を確認した。 ・協議会の後半では、インドネシア公共事業省有料道路庁ガニ長官から日本の技術や経験を活かした日本企業の参入を期待すること、また、両国間の協力関係がますます強化されることを期待すること等の発言とともに、インドネシアにおける高速道路計画や整備状況、有料道路制度の改革の取り組み等の説明があり、参加者の間で活発な意見交換が行われた。
なお、国別ワーキンググループにおけるフィリピンでの対象プロジェクトはフィリピン南北高速道路連結道路プロジェクトである。 |
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