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2011年1月4日の目次 |
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本日のトピックス |
<サンミゲル、通信事業基盤を拡充> 比イースタン・テレコム40%支配へ
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金融証券市場情報 |
<為替相場:1月3日の終値1ドル=43.770ペソへと続伸>
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<株式市場:1月3日は続伸し14.07ポイント高>
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経済統計・その他統計など |
<個人向け融資残高、12%増の4,474億ペソ> 2010年9月末、不良債権比率9.19%に
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<住宅不動産融資残高、10%増の1,788億ペソ> 2010年9月末、不良債権比率7.50%に
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<自動車ローン残高、23%増の1,114億ペソ> 2010年9月末、不良債権比率は4.55%
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政治・外交などの関連ニュース |
<官邸、今夏の首都圏での停電発生懸念なしと楽観>
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一般経済・税制関連、国際機関などのニュース |
<貯蓄銀行の外貨建債券投資を認可>
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産業界、外資などのニュース |
<銀行の自己資本比率16.21%:昨年6月末> 現行バーゼル2基準8%の2倍超と高水準
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企業ニュース、証券取引所(PSE)公表情報など |
<マニラ湾北港に総合物流拠点、サンミゲルシティ> 子会社ペトロン、マニラ湾北港社の株式35%取得へ 石油貯蔵基地をパンダカンから移転へ
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<ジョリビー、デリ・フランス事業売却完了> 製薬企業ユーロ・メッド子会社に売却
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<PLDTのテルバッド(TelPad)に大反響> DSL&タッチスクリーン・タブレット DSL事業拡大の起爆剤の可能性
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公的機関等からの情報、広報(アジア、世界関連)など |
<JICA、BOPビジネス調査で20件の採択決定> アジア等での貧困層事業開発を支援
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本日のトピックス |
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<サンミゲル、通信事業基盤を拡充> 比イースタン・テレコム40%支配へ
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(11年1月3日のフィリピン証券取引所回覧0017-2011などより) 多角化を推進するサンミゲルは、通信事業基盤も急ピッチで拡充しつつある。 サンミゲルの通信子会社ベガ・テレコムは昨年12月30日に、ISMコミュニケーション(ISM)からA.G.N.フィリピン社(AGPN)株式100%を取得することで合意した。AGNPは、当地の有力通信企業イースタン・コミュニケーション・フィリピン(イースタン・テレコム)の40%を支配している。このイースタン・テレコムへの資本参加は、サンミゲルの通信事業基盤を強固にするものと期待される。 |
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金融証券市場情報 |
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<為替相場:1月3日の終値1ドル=43.770ペソへと続伸>
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(11年1月3日のPDS取引記録などより) 2011年1月3日のPDS(フィリピン・ディーリング・システム)でのペソ対米ドル加重平均レートは43.767ペソで先週末の43.811ペソから0.044ペソ続伸。終値は43.770ペソで先週末の43.840ペソから0.070ペソ続伸(始値43.750ペソ、高値43.650ペソ、安値43.830ペソ)。出来高は先週末比25%減の7億2,281万ドル。
ペソ対米ドルレートの動き(単位:ペソ)
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当日 |
前営業日 |
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11年1月3日 |
10年12月30日 |
始値 |
43.750 |
43.810 |
高値 |
43.650 |
43.780 |
安値 |
43.830 |
43.850 |
終値 |
43.770 |
43.840 |
加重平均 |
43.767 |
43.811 |
出来高(百万ドル) |
$722.81 |
$964.76 |
(出所:PDS取引記録より) |
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<株式市場:1月3日は続伸し14.07ポイント高>
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(11年1月3日のフィリピン証券取引所資料などより) 2011年1月3日の株式市場は続伸し、PSE株価指数は14.07ポイント高の4,215.21ポイントで引けた。率にすると0.33%の続伸。全体の売買代金は先週末比30%減の38億2,500万ペソ(約71億3,000万円)、総取引回数は6%減の16,267回だった。値上がり銘柄数は79で値下がり銘柄数54を上回った。変わらず銘柄数は30。外人は3億6,530万ペソの買い越しだった。
<2011年1月3日の株式市場概要>
指数 |
始 値 |
高 値 |
安 値 |
終値 |
前日比 |
PSE株価指数 |
4,206.01 |
4,230.78 |
4,206.01 |
4,215.21 |
+14.07 |
出来高(百万株) |
5,209 |
+210% |
値上がり銘柄 |
79 |
外人買付額(百万ペソ) |
1,400.1 |
売買代金(百万ペソ) |
3,825 |
-30% |
値下がり銘柄 |
54 |
外人売却額(百万ペソ) |
1,034.8 |
総取引回数 |
16,267 |
-6% |
変わらず銘柄 |
30 |
外人買越額(百万ペソ) |
+365.3 |
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経済統計・その他統計など |
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<個人向け融資残高、12%増の4,474億ペソ> 2010年9月末、不良債権比率9.19%に
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(11年1月3日のフィリピン中央銀行発表より) 2010年第3四半期末(9月末)の商業銀行(拡大商業銀行含む:以下同様)、貯蓄銀行の消費者融資(CL、個人向け融資)残高合計は前期末(6月末)比3.0%増、前年同期末比11.8%増の4,474億3,900万ペソ(速報値)。一方、消費者融資における不良債権(NPL)残高は前期末比2.0%増、前年同期末比11.1%増の411億1,800万ペソ。その結果、消費者融資残高に対する不良債権比率は9.19%となり、前期末(9.28%)、前年同期末(9.25%)から改善した。
総融資残高(TLP)に対する消費者融資残高比率は16.26%で前期末(16.09%)、前年同期末(16.03%)から拡大。また、総不良債権残高(TNPL)に対する消費者融資不良債権比率は30.40%で前期末(29.51%)、前年同期末(28.03%)から悪化した。
商業銀行、貯蓄銀行の消費者融資動向(単位:百万ペソ)
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09年9月末 |
10年6月末 |
10年9月末 |
消費者融資残高(CL) |
400,131 |
434,557 |
447,439 |
消費者融資不良債権(NPL)残高 |
37,004 |
40,313 |
41,118 |
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総融資残高(TLP) |
2,496,278 |
2,701,351 |
2,752,069 |
総不良債権残高(TNPL) |
132,007 |
136,597 |
135,241 |
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消費者融資の対TLP比率 |
16.03% |
16.09% |
16.26% |
消費者融資NPLの対TNPL比率 |
28.03% |
29.51% |
30.40% |
消費者融資NPLの対TLP比率 |
1.48% |
1.49% |
1.49% |
消費者融資NPLの対CL比率 |
9.25% |
9.28% |
9.19% |
消費者融資NPL貸倒引当比率 |
61.94% |
62.21% |
62.70% |
(出所: フィリピン中央銀行資料より作成、注:数字は商業銀行、貯蓄銀行の合計) |
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<住宅不動産融資残高、10%増の1,788億ペソ> 2010年9月末、不良債権比率7.50%に
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(11年1月3日のフィリピン中央銀行発表より) 2010年第3四半期末(3月末)の商業銀行(拡大商業銀行含む:以下同様)、貯蓄銀行の住宅不動産融資残高(RREL)合計は前期末(6月末)比2.9%増、前年同期末比10.1%増の1,788億4,100万ペソ(速報値)。一方、住宅不動産融資における不良債権(NPL)残高は前期末比16.9%増、前年同期末比13.2%増の134億1,600万ペソ。その結果、住宅不動産融資残高に対する不良債権比率は7.50%となり前期末(6.60%)、前年同期末(7.29%)から悪化した。
総融資残高(TLP)に対する住宅不動産融資残高比率は6.50%で前期末(6.43%)から拡大、前年同期末(6.51%)から僅かに縮小した。また、総不良債権残高(TNPL)に対する住宅不動産融資不良債権比率は9.92%で前期末(8.40%)、前年同期末(8.98%)から悪化した。
商業銀行、貯蓄銀行の住宅融資動向(単位:百万ペソ)
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09年9月末 |
10年6月末 |
10年9月末 |
住宅不動産融資残高(RREL) |
162,496 |
173,719 |
178,841 |
住宅不動産融資不良債権(NPL)残高 |
11,849 |
11,474 |
13,416 |
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総融資残高(TLP) |
2,496,278 |
2,701,351 |
2,752,069 |
総不良債権残高(TNPL) |
132,007 |
136,597 |
135,241 |
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住宅不動産融資の対TLP比率 |
6.51% |
6.43% |
6.50% |
住宅不動産融資NPLの対TNPL比率 |
8.98% |
8.40% |
9.92% |
住宅不動産融資NPLの対TLP比率 |
0.47% |
0.42% |
0.49% |
住宅不動産融資NPLの対RREL比率 |
7.29% |
6.60% |
7.50% |
住宅不動産融資NPL貸倒引当比率 |
31.30% |
28.74% |
27.28% |
(出所:中央銀行資料より作成、注:数字は商業銀行、貯蓄銀行の合計) |
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<自動車ローン残高、23%増の1,114億ペソ> 2010年9月末、不良債権比率は4.55%
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(11年1月3日のフィリピン中央銀行発表より) 2010年第3四半期末(9月末)の商業銀行(拡大商業銀行含む:以下同様)、貯蓄銀行及びそれら子会社全体の自動車ローン残高(AL)合計は前期末(6月末)比5.3%増、前年同期末比23.0%増の1,114億4,900万ペソ(速報値)。一方、自動車ローンにおける不良債権(NPL)残高は前期末からほぼ横ばい、前年同期末比8.4%増の50億7,200万ペソ。この結果、自動車ローン残高(AL)に対する不良債権比率は4.55%となり、前期末(4.79%)、前年同期末(5.16%)から改善した。
総融資残高(TLP)に対する自動車ローン残高比率は4.01%で前期末(3.86%)、前年同期末(3.59%)から拡大した。また、総不良債権残高(TNPL)に対する自動車ローン不良債権比率は3.65%で前期末(3.62%)、前年同期末(3.45%)から悪化した。
商業銀行、貯蓄銀行の自動車ローン動向(単位:百万ペソ)
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09年9月末 |
10年6月末 |
10年9月末 |
自動車ローン残高(AL) |
90,627 |
105,797 |
111,449 |
自動車ローン不良債権(NPL)残高 |
4,681 |
5,070 |
5,072 |
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総融資残高(TLP) |
2,522,134 |
2,740,582 |
2,781,958 |
総不良債権残高(TNPL) |
135,601 |
140,146 |
138,846 |
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自動車ローンの対TLP比率 |
3.59% |
3.86% |
4.01% |
自動車ローンNPLの対TNPL比率 |
3.45% |
3.62% |
3.65% |
自動車ローンNPLの対TLP比率 |
0.19% |
0.18% |
0.18% |
自動車ローンNPLの対AL比率 |
5.16% |
4.79% |
4.55% |
自動車ローンNPL貸倒引当比率 |
47.81% |
61.19% |
63.43% |
(出所: フィリピン中央銀行資料より作成、注:数字は商業・拡大商業銀行、貯蓄銀行、子会社の合計)
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政治・外交などの関連ニュース |
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<官邸、今夏の首都圏での停電発生懸念なしと楽観>
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(11年1月3日のフィリピン大統領府情報業務室発表より) ラシエルダ大統領報道官は1月3日、新たに電力供給に影響を及ぼすような状況が起こらなければ、今夏のマニラ首都圏内での停電の可能性はないとの見込みを示した。アルメンドラス・エネルギー相によると、停電の場合の緊急時対応策が既に整えられており、電力需要の高まる夏季でもマニラ首都圏を中心に停電の懸念はないとのこと。 |
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一般経済、税制関連、国際機関などのニュース |
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<貯蓄銀行の外貨建債券投資を認可>
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(11年1月3日のフィリピン中央銀行発表より) フィリピン中央銀行(BSP)金融委員会(MB)は先頃、貯蓄銀行の通常銀行業務部門RBU(Regular Banking Units)に市場性のある外貨建債券への投資を認める指針を承認した。 |
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産業界、外資などのニュース |
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<銀行の自己資本比率16.21%:昨年6月末> 現行バーゼル2基準8%の2倍超と高水準
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(11年1月3日のフィリピン中央銀行発表より) 中央銀行は当地銀行業界の自己資本動向詳細版を発表した。それによると、2010年第2四半期末(6月末)の市場リスクを加味した自己資本比率(CARs)は、前期末(3月末)に比べ上昇傾向にある。また、2007年のバーゼル2基準への変更により、見かけはそれ以前のピーク時より低下したかに見えるが、実態は高水準であるといえよう。
2010第2四半期末の銀行業界の平均自己資本比率(CARs)は単独ベースで15.23%、連結ベースで16.21%。それぞれ前期末及び前年同期末を上回った。そして、中央銀行による最低基準である10%、バーゼル合意基準の8%よりはかなり高い水準にある。
拡大商業銀行・商業銀行だけで見ると、2010年第2四半期末の平均自己資本比率(CARs)は単独ベースで15.37%、連結ベースで16.45%。単独ベースは前期末の14.99%から0.38%ポイント、連結ベースは前期末の16.17%から0.28%ポイントそれぞれ上昇した。一方、貯蓄銀行だけで見ると、2010年第2四半期末の平均自己資本比率(CARs)は単独ベース、連結ベースともに12.04%で前期末の12.25%から0.21%ポイント低下した。
なお、 フィリピン中央銀行は当地の金融業界の自己資本基準を2007年7月からバーゼル2自己資本合意フレームワークに沿ったものにすると通達した。そして現在、昨年合意されたバーゼル3基準に沿った基準作りを終えつつある。 |
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企業ニュース、証券取引所(PSE)公表情報など |
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<マニラ湾北港に総合物流拠点、サンミゲルシティ> 子会社ペトロン、マニラ湾北港社の株式35%取得へ 石油貯蔵基地をパンダカンから移転へ
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(11年1月3日のフィリピン証券取引所回覧0017-2011などより) 当地最大の石油元売り企業であり、サンミゲル子会社のペトロンは、1月3日に、ハーバーセンター・ポートターミナル社(HCPT)から、マニラ湾北港社(MNHPI)の株式35%を取得することで合意した。
HTPC社グループは、ペトロンの親会社であるサンミゲルと共同でマニラ湾北港近代化事業に着手しつつある。MNHPI社がマニラ湾北港の25年間の港湾業務開発・運営権を所有している。サンミゲルは、マニラ湾北港近代化とともに、サンミゲルの穀物倉庫、セメント関連会社の貯蔵倉庫等のロジスティックス機能を集約、サンミゲル・シティを構築する意向。 ペトロンも、市街地調整問題で揺れているマニラ市パンダカンの石油貯蔵基地をマニラ湾北港へ移転する意向。今回のMNHPI株式35%取得はその準備ともいえよう。
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<ジョリビー、デリ・フランス事業売却完了> 製薬企業ユーロ・メッド子会社に売却
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(11年1月3日のフィリピン証券取引所回覧0004-2011などより) 当地最大のハンバーガーチェーンなどを展開するジョリビー・フーズは、ブランド見直し戦略の一環として、デリ・フランス事業から撤退した。
昨年9月に、ジョリビー・フーズの100%子会社で当地でデリー・フランス事業を運営するフレッシュNフェーマス・フーズ社(FNF)は、カフェフランス社との間で、デリ・フランス既存店舗などの資産売却で合意した。売却価格は約1億ペソ。なお、、カフェフランス社は、製薬企業ユーロメッドが新設したレストラン事業展開企業である。また、FNFは、デリ・フランス・エイシアとの間のデリ・フランス事業フランチャイズ契約を破棄。
このFNFによるデリ・フランス事業売却が、2010年12月31日で完了した。FNFはデリ・フランス23店(直営20店、フランチャイズ店3店)と2か所のサテライト・ブースを展開していた。カフェフランス社は、既存のデリ・フランス店や従業員を引き継ぐが、新しいコンセプトとブランド名で事業展開する計画である。
なお、ジョリビー・フーズの2010年9月末のフィリピン国内店舗数は1578店舗。内訳はハンバーガーのジョリビー703店、中華のチャウキン404店、ピザのグリーンウイッチ218店、ケーキ・ベーカリーのレッドリボン215店、デリ・フランス23店、マノン・ペペ15店。 一方、海外店舗数は375店舗。そのうち、中国の永和大王185店、宏状元餐が51店。海外のジョリビーは64店、レッドリボン38店、チャウキン37店。これらを含むジョリビーフーズ・グループ総店舗数は1953店舗であった。 |
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<PLDTのテルバッド(TelPad)に大反響> DSL&タッチスクリーン・タブレット DSL事業拡大の起爆剤の可能性 |
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(11年1月3日のフィリピン証券取引所回覧0007-2011号より) 既報のとおり、当地最大の通信企業フィリピン長距離電話(PLDT)は先年12月13日に、タッチスクリーン・タブレットコンピュータと高速DSLを融合させたテルバッド(TelPad)サービスを開始すると発表した。
テルバッドユニットは7インチスクリーンのタブレット・コンピュータであり、電話受信とともに10万種以上のアプリケーションにアクセス可能。そして、ブロードバンドアクセスの無制限利用サービスがベースとなる。1ギガヘルツCORTEXA8プロセッサーが搭載されている。テルバッドのユーザーは、アンドロイド・マーケッツやグーグル・オンライン・ストアーからの広範囲なアプリケーションのダウンロードが可能である。
PLDTのmyDSL加入者は、月額500ペソの追加で、テルパッドプランへのアップグレードが可能である。
このテルバッドに対する反響は非常に大きく、PLDTのDSL事業拡大の起爆剤になる可能性がある。現在、PLDTのDSL加入者は約350万人(回線とワイヤレスの合計)で、市場シェア61%であるが、今後急拡大する可能性がある。PLDTでは1000万世帯への対応が可能としている。 |
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公的機関等からの情報、広報(アジア、世界関連)など |
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<JICA、BOPビジネス調査で20件の採択決定> アジア等での貧困層事業開発を支援
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(10年12月28日の国際協力機構発表より) 国際協力機構(JICA)は、企業等が行うBOP(Base of the Pyramid、貧困層)ビジネスとの連携を促進するため、事前調査を支援する枠組み「協力準備調査(BOPビジネス連携促進)」を今年度より開始し、このほど、2010年8月6日に行った初回の公示分につき、20件の採択案件を決定した。BOPビジネスとの連携を通じ、JICAが目指す開発途上国の貧困層が抱える課題の解決に寄与することが期待される。
この調査制度は、開発課題の解決に資するBOPビジネスの実施を検討している企業やNGO等からの提案を公示により募り、JICAが選定した案件の提案法人に調査を委託するもので、調査の費用はJICAが最大5,000万円まで負担する。今回の公示に対しては、124法人より92件の提案があるなど、非常に高い注目が寄せられた。BOPビジネスにより期待される貧困削減等の開発効果、事業化の可能性や現地コミュニティへの配慮等の観点からJICAが評価を行い、採択案件を選定した。
今回92件の提案の応募者の構成は、メーカー、開発コンサルタント、サービス業等を中心に民間企業が91%、NGO/NPO等団体が7%であり、少数ながら地方自治体(1%)、大学(1%)からの応募もあった。また、提案事業の対象地域については、東南アジア(42%)、南アジア(30%)に次いでアフリカ(20%)が、分野については水、農業・農村開発、保健、代替エネルギーなどの開発課題の解決を目指す提案が寄せられた。今回、フィリピン案件は含まれていない。
BOPビジネスは、Inclusive Businessとも呼ばれ、援助機関だけでは達成できない開発途上国の課題解決を、企業がビジネスの原理を活かして行う新たなアプローチとして注目を集めており、各国の援助機関や国際機関も、近年BOPビジネスとの連携を積極的に推進している。JICAもそのビジョンである「全ての人々が恩恵を受ける、ダイナミックな開発」や、その推進のための重要戦略の一つである「開発パートナーシップの推進」に合致する施策として、この調査制度を位置付けている。さらに、この制度により、日本企業が強みを活かしつつ開発途上国における事業展開を促進していくことも期待される。 |
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