9月の株価2.7%反発、2年半ぶりに最高値更新
9カ月間で19%上昇、サービス32%高、不動産26%高
2017/10/03
2017年9月のフィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)は、月間で2.67%の上昇となった。
9月央には北朝鮮と米国との軍事衝突懸念がやや緩和したこと、ミンダナオ島マラウィでの戦闘終結が近いとの楽観的な見方が台頭したこと、米国の利上げピッチは緩慢との観測が拡がったことなどを背景に、約2年半ぶりの最高値更新となった。終値ベースでは、9月14日に、2015年4月10日に記録したこれまでの過去最高値8,127.48ポイントを約2年5か月ぶりに更新した。その後、3営業日連続で終値ベースでの最高値を更新、9月18日に史上最高値8,294.14ポイントを記録した。
この結果、2017年9カ月間(1月~9月)のPSEiは19.45%の上昇となった。9カ月間の大分類セクター別指数動向は、サービス株が31.72%上昇、不動産株が25.58%上昇、金融株が18.47%上昇、鉱業・石油株(資源株)が17.68%の上昇、持株会社(ホールディング・カンパニー)株が17.59%上昇、工業株が4.66%上昇となった。サービス株指数は、2016年に業績悪化で大幅下落した主力のPLDT株価が値頃感により急反発してきたことなどで、大幅上昇、セクター別上昇率トップとなっている。
フィリピン証券取引所指数の動き(年末値と月末価、17年は9月29日終値)
(出所:フィリピン証券取引所やPDS資料より作成)
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
2017年9カ月間の1日当たり平均売買額は81億7,000万ペソとなり、2016年年間平均の約78億1,174万ペソを4.6%上回っている。外人の売買額シェアは50%で、前年通年の51%を僅かに下回っている。外人は約556億9,000万ペソの買い越し。2017年第1四半期末時点では約185億ペソの売り越しであったが、4月以降買い越し基調となり、上半期末段階で既に買い越しに転じていた。
2017年9月末のPSE時価総額は前年末比18.4%増の17兆1,000億ペソ、そのうち国内企業時価総額が同18.2%増の14兆0,388億ペソであった。なお。PSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は21.33倍で、前年末の17.9倍から上昇している(PSE取引記録などより)。
フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成、株価収益率はPSE基準算出数値)
9月央には北朝鮮と米国との軍事衝突懸念がやや緩和したこと、
この結果、2017年9カ月間(1月~9月)のPSEiは19.
フィリピン証券取引所指数の動き(年末値と月末価、
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2008年 | 1,872.85ポイント | -48.29% |
2009年 | 3,052.68ポイント | 63.00% |
2010年 | 4,201.14ポイント | 37.62% |
2011年 | 4,371.96ポイント | 4.07% |
2012年 | 5,812.73ポイント | 32.95% |
2013年 | 5,889.83ポイント | 1.33% |
2014年 | 7,230.57ポイント | 22.76% |
2015年 | 6,952.08ポイント | -3.85% |
2016年 | 6,840.64ポイント | -1.60% |
2017年1月末 | 7,229.66ポイント | 5.68% |
2月末 | 7,212.09ポイント | -0.24% |
3月末 | 7,311.72ポイント | 1.38% |
4月末 | 7,661.01ポイント | 4.78% |
5月末 | 7,837.12ポイント | 2.30% |
6月末 | 7,843.16ポイント | 0.08% |
7月末 | 8,018.05ポイント | 2.23% |
8月末 | 7,958.57ポイント | -0.74% |
9月末 | 8,171.43ポイント | 2.67% |
9カ月間 | - | 19.45% |
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
項目 | 14年の上昇率 | 15年の上昇率 | 16年の上昇率 | 17年9月末終値 | 17年9カ月間上昇率 |
フィリピン証券取引所指数 | 22.76% | -3.85% | -1.60% | 8,171.43 | 19.45% |
全株指数 | 17.99% | -6.43% | 4.15% | 4,841.35 | 16.49% |
金融株指数 | 18.78% | -8.58% | 6.76% | 1,961.24 | 18.47% |
工業株指数 | 37.89% | -7.94% | -3.45% | 11,146.88 | 4.66% |
持株会社株指数 | 16.03% | 4.78% | 5.92% | 8,221.67 | 17.59% |
不動産株指数 | 27.42% | 3.75% | 5.17% | 3,850.91 | 25.58% |
サービス業株指数 | 13.94% | -28.03% | -14.86% | 1,716.16 | 31.72% |
鉱業・石油株指数 | 32.70% | -34.07% | 13.72% | 13,954.31 | 17.68% |
2017年9カ月間の1日当たり平均売買額は81億7,
2017年9月末のPSE時価総額は前年末比18.4%増の17兆1,000億ペソ、そのうち国内企業時価総額が同18.2%増の14兆0,388億ペソであった。なお。PSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は21.33倍で、前年末の17.9倍から上昇している(PSE取引記録などより)。
フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
項目 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 17年9月末 |
フィリピン証券取引所指数 | 4,371.96 | 5,812.73 | 5,889.83 | 7,230.57 | 6,952.08 | 6,840.64 | 8,171.43 |
年末時価総額(億ペソ) | 86,970 | 109,301 | 119,313 | 142,517 | 134,651 | 144,388 | 171,000 |
国内企業時価総額 | 72,390 | 94,163 | 96,452 | 117,128 | 111,878 | 118,732 | 140,388 |
外国企業時価総額 | 14,580 | 15,138 | 22,861 | 25,389 | 22,773 | 25,656 | 30,612 |
1日平均売買額(億ペソ) | 57.1 | 72.6 | 105.2 | 88.0 | 89.6 | 78.1 | 81.7 |
外人の売買額シェア | 37.8% | 45% | 51% | 49% | 48% | 51% | 50% |
外人買越額(億ペソ) | 565.2 | 1,099.8 | 155.9 | 557.2 | -597.1 | 21.6 | 556.9 |
PER(株価収益率) | 16.57倍 | 17.97倍 | 17.79倍 | 20.13倍 | 19.48倍 | 17.90倍 | 21.33倍 |