株価2カ月間で4.8%下落、外国人240億ペソ売り越し
金融株2%上昇、不動産株5.7%下落、工業株7.9%下落
2021/02/28
フィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の2021年2月末終値は6,794.86ポイントとなり、前月末と比べて2.76%上昇したが、2カ月間では4.83%低下した。
2月は、1月の大幅下落の反動にくわえ、主要国での新型コロナワクチン開発進展報道、それに伴う主要国株式市場の上昇、フィリピン経済や企業業績の底打ち期待などを背景に、10日には、終値ベースでの月間最高値7,082.15ポイントまで上昇した。しかし、その後は、新型コロナ変異種に対する懸念、地域隔離措置緩和遅延、それらに伴う景気や企業業績回復ピッチ鈍化観測などを背景に、7,000ポイント台を割り込み、大半が6,000ポイント台での動きとなった。
NYダウの3万ドル、日経平均の3万円台への上昇など主要国の株式市場の強い動きに比べ、フィリピン株式市場の戻りのピッチは非常に鈍いといえる。本格的なワクチン接種時期が遅くなりそうなこと、先進国市場での上昇の牽引役となってきた有力IT企業や有力医薬品・バイオ企業がPSEには見当たらないことも、戻りの鈍さの要因の一つと考えられる。
2021年年初2カ月間の大分類セクター別の指数動向については、金融株価指数のみ2.04%上昇し、その他は低下した。下落率の大きい順に、工業株(-7.86%)、持株会社株(-5.91%)、不動産株(-5.66%)、サービス業株(-4.01%)、鉱業・石油株(-2.06%)となっている。金融株は、2020年尾下落率が22.32%と断トツであったことの反動、2月央に銀行等の不良債権を処理するための「金融機関の戦略的移転(FIST)法」に大統領が署名したことなどで上昇した。
2カ月間の1日当たり平均売買額は前年同期比78.5%増の116億6,000万ペソであった。外国人は239億5,400万ペソの売り越しで、前年同期の162億5,300万ペソの売り越しから47.4%増加した。外国人の売買額シェアは24%で、前年同期の56%から半減以下となった。
PSE時価総額は5.2%増の15兆7,088億ペソ、そのうち国内企業時価総額が3.4%増の12兆6,508億ペソであった。なおPSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は23.71倍、業績悪化により前年同月末(PER13.90倍)から大幅に上昇した。前年末の24.88倍からは若干低下した。
PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成、株価収益率はPSE基準算出数値)
2月は、1月の大幅下落の反動にくわえ、主要国での新型コロナワクチン開発進展報道、それに伴う主要国株式市場の上昇、フィリピン経済や企業業績の底打ち期待などを背景に、10日には、終値ベースでの月間最高値7,082.15ポイントまで上昇した。しかし、その後は、新型コロナ変異種に対する懸念、地域隔離措置緩和遅延、それらに伴う景気や企業業績回復ピッチ鈍化観測などを背景に、7,000ポイント台を割り込み、大半が6,000ポイント台での動きとなった。
NYダウの3万ドル、日経平均の3万円台への上昇など主要国の株式市場の強い動きに比べ、フィリピン株式市場の戻りのピッチは非常に鈍いといえる。本格的なワクチン接種時期が遅くなりそうなこと、先進国市場での上昇の牽引役となってきた有力IT企業や有力医薬品・バイオ企業がPSEには見当たらないことも、戻りの鈍さの要因の一つと考えられる。
2021年年初2カ月間の大分類セクター別の指数動向については、金融株価指数のみ2.04%上昇し、その他は低下した。下落率の大きい順に、工業株(-7.86%)、持株会社株(-5.91%)、不動産株(-5.66%)、サービス業株(-4.01%)、鉱業・石油株(-2.06%)となっている。金融株は、2020年尾下落率が22.32%と断トツであったことの反動、2月央に銀行等の不良債権を処理するための「金融機関の戦略的移転(FIST)法」に大統領が署名したことなどで上昇した。
2カ月間の1日当たり平均売買額は前年同期比78.5%増の116億6,000万ペソであった。外国人は239億5,400万ペソの売り越しで、前年同期の162億5,300万ペソの売り越しから47.4%増加した。外国人の売買額シェアは24%で、前年同期の56%から半減以下となった。
PSE時価総額は5.2%増の15兆7,088億ペソ、そのうち国内企業時価総額が3.4%増の12兆6,508億ペソであった。なおPSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は23.71倍、業績悪化により前年同月末(PER13.90倍)から大幅に上昇した。前年末の24.88倍からは若干低下した。
PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2012年 | 5,812.73ポイント | 32.95% |
2013年 | 5,889.83ポイント | 1.33% |
2014年 | 7,230.57ポイント | 22.76% |
2015年 | 6,952.08ポイント | -3.85% |
2016年 | 6,840.64ポイント | -1.60% |
2017年 | 8,558.42ポイント | 25.11% |
2018年 | 7,466.02ポイント | -12.76% |
2019年 | 7,815.26ポイント | 4.68% |
2020年 | 7,139.71ポイント | -8.64% |
2021年 1月末 | 6,612.62ポイント | -7.38% |
2月末 | 6,794.86ポイント | 2.76% |
2カ月間 | - | -4.83% |
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
項目 | 18年 | 19年 | 20年 | 21年2月末 | 2カ月間上昇率 |
フィリピン証券取引所指数 | -12.76% | 4.68% | -8.64% | 6,794.86 | -4.83% |
全株指数 | -9.46% | 2.92% | -8.11% | 4,120.30 | -3.56% |
金融株指数 | -20.19% | 4.71% | -22.32% | 1,477.19 | 2.04% |
工業株指数 | -2.49% | -12.02% | -2.51% | 8,655.34 | -7.86% |
持株会社株指数 | -14.79% | 3.41% | -3.13% | 6,920.08 | -5.91% |
不動産株指数 | -8.80% | 14.51% | -11.80% | 3,457.14 | -5.66% |
サービス業株指数 | -10.94% | 6.13% | -1.11% | 1,453.36 | -4.01% |
鉱業・石油株指数 | -28.71% | -1.32% | 17.75% | 9,331.67 | -2.06% |
フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
項目 | 18年 | 19年 | 20年 | 21年2月末 |
フィリピン証券取引所指数 | 7,466.02 | 7,815.26 | 7,139.71 | 6,794.86 |
年末時価総額(億ペソ) | 161,467 | 167,053 | 158,889 | 157,088 |
国内企業時価総額 | 135,437 | 139,468 | 130,994 | 126,508 |
外国企業時価総額 | 26,030 | 27,585 | 27,895 | 30,580 |
1日平均売買額(億ペソ) | 71 | 73 | 73 | 117 |
外国人の売買額シェア | 51% | 55% | 45% | 24% |
外国人買越額(億ペソ) | -609 | -145 | -1,287 | -240 |
PER(株価収益率) | 17.89倍 | 16.52倍 | 24.88倍 | 23.71倍 |