比の債券市場規模、23年末7.4%増の2,170億米ドルに

東アジアでのシェア0.9%、ベトナム1,090億ドルに次ぐ低水準

2024/03/24

  アジア開発銀行(ADB)が、3月21日、東アジア債券市場の動向に関する報告書「アジア債券モニター」(ABM)最新版の2023年12月号(2023年第4四半期実績などを記載)を発表した。
 
 「アジア債券モニター」(ABM)は、ASEAN6カ国(フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム)、中国、韓国、香港という合計9カ国・地域(9市場)の東アジア新興国(EEA)現地通貨建て(LCY)債券市場の変化を定期的に調査・分析しているものである。このABM最新版によると、2023年第4四半期末(12月末)の東アジア新興国の現地通貨建て債券市場は前年末比9.2%増の25兆1,820億米ドルとなっている。前期末(9月末)比では2.5%増加した。

 フィリピンの米ドルベースでのLCY(ペソ建て)債券発行残高は前年末比7.4%増の2,170億米ドル。前期末比では1%増にとどまった。2023年の社債発行額が前年比58.6%減少したことなどが響いた。政府債(国債)が前年末比8.4%増、前期末比2.1%増の1,780億米ドル、中央銀行(BSP)証券が前年末比32.5%増、前期末比6.2%減の110億米ドル、社債が前年末比5.6%減、前期末比2.6%減の270億米ドルであった。2,170億米ドルという発行残高規模は、9市場のなかで、ベトナムの1,090億米ドルに次ぐ低水準であり、9市場全体の25兆1,820億米ドルの0.86%を占めるに過ぎない。